西暦1431年 - ジャンヌ・ダルクの処刑

フランスの国民的英雄
シャルル7世の戴冠式におけるジャンヌ・ダルク
1431年5月30日正午、フランスの国民的英雄で百年戦争後期に活躍したジャンヌ・ダルクが処刑される。

フランス王国の王位継承をめぐって、ヴァロワ朝フランス王国とプランタジネット朝およびランカスター朝イングランド王国は戦争状態にあった。この百年戦争の後期、フランスは滅亡の危機にあった。
そんな中の1429年1月、神の声を聞いたというフランスの少女ジャンヌ・ダルクが立ち上がった。3月、ジャンヌは王太子シャルルに謁見し、イギリス軍に包囲されたオルレアンを開放するための指揮官を任命される。
5月8日、ジャンヌは負傷しながらもオルレアン解放に成功。
ルーラー ジャンヌ・ダルク
やがて彼女のもとにフランス兵が集まり、イギリスの支配下にあったランスの町を開放する。
1429年7月17日、ランスのノートルダム大聖堂でシャルルがフランス国王に即位する。

国王となったシャルル7世は、王宮のあるパリを返してくれればロワール川流域を差し出すという密約をイギリスと交わす。
一方のジャンヌは進軍を続けるが、シャルルは援軍を送らなかった。ついにジャンヌはパリの北コンピエーニュでイギリス軍に捕らわれる。
キャスター ジル・ド・レ
1431年1月、ルーアンにおいてジャンヌに対する宗教裁判が始まる。
文字を読むことができず弁護人も付けてもらえなかったジャンヌは有罪となり、5月30日、火刑に処せられる。
その3日後、イギリス軍は攻撃を再開するが、ジャンヌによって奮起したフランスの国民が立ち上がり、やがてフランス全土を取り戻す。

オルレアン解放の際、ジャンヌの下で活躍したのが、フランスの貴族で軍人のジル・ド・レである。ジル・ド・レはシャルルの戴冠式にも出席し、元帥の称号を得た。
ジル・ド・レのジャンヌ対する忠誠は、信仰のようなものであったという。領地に戻り、ジャンヌの救出に失敗すると、錬金術や魔術に手を出し、祖父から相続した財産を失ってしまう。さらに、少年の虐殺に手を染め、数百人とも千人ともいわれる犠牲者を出した。このことから、のちの青髯のモデルとなった。

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オルレアン付近の地図

参考書籍

表紙 ジャンヌ・ダルク フランスを救った奇跡の少女
著者 たまきちひろ/安達正勝
出版社 小学館
サイズ 全集・双書
発売日 2011年03月
価格 972円(税込)
rakuten
ISBN 9784092700260
ヨーロッパの歴史を動かした女の子の、冒険と悲劇の物語。
 
表紙 ジャンヌ・ダルクの生涯
著者 藤本ひとみ
出版社 中央公論新社
サイズ 文庫
発売日 2005年09月25日
価格 740円(税込)
rakuten
ISBN 9784122045781
17歳で剣を取り、祖国フランスを救ったジャンヌ・ダルクー。神のお告げを聞いた生まれ故郷ドンレミから、戦勝を重ねたオルレアン、ノートル・ダム大聖堂における戴冠式、そして炎に包まれ19年の生涯を終えた街ルーアンまで、「男装の少女」ジャンヌ・ダルクの謎につつまれた生涯をたどる歴史エッセイ。図版68点収戴。
 
(この項おわり)
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