三原山の山頂火口と三原神社

2020年12月23日 撮影
三原山山頂中央火口 - 伊豆大島
三原山山頂中央火口
三原山(標高758メートル)は、伊豆大島の中央にある幅2,500メートイル、長さ3,200メートルのカルデラの南西部に位置する中央火口丘(内輪山)を指し、1777年(安永6年)に始まった安永噴火で誕生した。
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三原山 - 伊豆大島
三原山
バス停「三原山温泉」から裏砂漠を通って三原山山頂へのルートは、約3.2km。1時間ほどを要する。
三原山温泉の近くはススキに覆われている。
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裏砂漠 - 伊豆大島
裏砂漠
やがて、黒い火山岩(スコリア)で覆われた裏砂漠となる。裏砂漠は国土地理院が発行する地図に唯一「砂漠」と表記された場所だ。
伊豆大島は富士箱根伊豆国立公園に属し、裏砂漠の周辺は特別保護地区として車両の乗り入れが禁止されている。
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三原山 - 伊豆大島
三原山
伊豆大島そのものが、玄武岩質マグマの噴出でできた成層火山である。約2万年前から現在まで、100年から200年ごとに合計100回程度の大噴火が起きたと考えられている。

玄武岩質マグマの温度は1000~1200℃と、安山岩質マグマや流紋岩質マグマよりも高温で、粘性が低く流れやすい。粘性が低いため、含まれるガスが抜けやすく、爆発的な噴火に至ることは少ない。
ただし、ガスが抜けないと爆発的な噴火になり、間欠的に爆発的な噴火をし、半固結状態の溶岩を数百メートルの高さにまで噴き上げるストロンボリ式噴火になることが多い。イタリアのストロンボリ火山から名づけられた。三原山や富士山はストロンボリ式噴火する。
B2火口 - 伊豆大島
B2火口
1986年(昭和61年)の噴火では、11月21日に三原山の北側カルデラ内で割れ目噴火が発生した。南東から北西方向に約1kmに並んで幾つもの火口が開き、溶岩は高さ1,500メートルに達した。このときの課後列には南側から番号が振られており、写真は2番目のB2火口だ。
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三原山 - 伊豆大島
三原山
1986年(昭和61年)11月21日夕方、溶岩流が元町集落に迫り、22時50分に全島避難が決定した。安全保障会議設置法適用第1号となり、後藤田正晴官房長官が救難作戦の指揮を執った。
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三原山山頂中央火口 - 伊豆大島
三原山山頂中央火口
東海汽船や漁船だけでなく、海上保安庁や海上自衛隊の艦船も救助に参加し、南極に向けて出港したばかりの南極観測艦しらせも救助に参加した。翌22日5時10分までに全島民および観光客10,226人の救出を完了した。
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三原山山頂中央火口 - 伊豆大島
三原山山頂中央火口
1998年(平成10年)5月、中央火口を1周するお鉢めぐりコースが開通した。直径300メートル、深さ200メートルの火口を間近に見ることができる。
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三原山 - 伊豆大島
三原山
山頂遊歩道を通って、島の西側へ向かう。海がすぐ近くに見える。
バス停「三原山頂口」までは2.2km、約45分の行程だ。
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三原山 - 伊豆大島
三原山
水準点。

三原山の噴火は御神火 (ごじんか) と仰がれれおり、絶えることのない噴煙は大島のシンボルにもなっている。火口底の溶岩が夜空にはえるお映え現象も神秘的だ。
1957年(昭和32年)の噴火では、噴石によって死者1名、負傷者53名を出した。
伊豆大島火山防災連絡事務所が常時火山観測をしており、東大地震研究所の火山観測所もある。

かつては自殺の名所だった。1933年(昭和8年)1月、女学生が火口へ投身自殺したことで火が付き、この年だけで129人が投身自殺した。戦後になり、自殺者は減った。
ホルニト - 伊豆大島
ホルニト
1950~1951年(昭和26年)噴火では、溶岩が三原山の斜面を下って流れ、その一部は表面が固まって溶岩トンネルを形成した。溶岩トンネルの天井が破れたところからガスや溶岩が噴き出して、塚のようになったものがホルニトだ。
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大島神社 - 伊豆大島
大島神社
ホルニトは、バホイホイ溶岩と呼ばれる流動的な溶岩でできている。
このホルニトの下には、幅10メートル、長さ15メートル、高さ6メートルの溶岩トンネルがある。
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大島神社 - 伊豆大島
大島神社
御神火 (ごじんか) をはじめ、人間の力が及ばない自然現象に畏敬の念を抱き、古来、三原山自体が三原大明神として崇められてきた。いつしか山頂に小さな祠が設けられ、大正時代、内輪山の中腹に社殿が建立された。
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大島神社 - 伊豆大島
大島神社
社殿は、1950~1951年(昭和26年)の噴火で溶岩に埋まってしまったが、祠は無事で、建て直され現在の三原神社となった。
三原神社は、1986年(昭和61年)の噴火でも被災しなかった。
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三原山 - 伊豆大島
三原山
1984年(昭和59年)の映画「ゴジラ」では、ゴジラが三原山の火口に落ちて終わった。続編の「ゴジラvsビオランテ」(1989年)では、1986年(昭和61年)に企画がスタートした際、三原山の噴火を撮影し、映画の1シーンに利用した。
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富士山を望む - 伊豆大島
富士山を望む
三原山山頂口展望台からの眺め。
眼下に見えるのが元町港で、その先に、駿河湾、そして富士山のシルエットが見える。
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交通アクセス

【バス】
  • 元町港から三原山ライン・登山バス・三原山山頂口行き、約36分、「三原山山頂口」バス停下車すぐ
伊豆大島 関連

参考サイト

近隣の情報

(この項おわり)
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