筑土八幡神社には新宿区最古の鳥居がある

2019年1月5日 撮影
本殿 - 筑土八幡神社
本殿
筑土八幡 (つくどはちまん) 神社(東京都新宿区筑土八幡町2-1)は、いまから1200年(正治2年)前、嵯峨 (さが) 天皇の時代に創建されたと伝えられている。都会のど真ん中にあるが、参拝者もまばらで静か。
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参道 - 筑土八幡神社
参道
最澄が神像を彫って祠に祀る際、筑紫の宇佐神宮の宮土をもとめて (いしずえ) としたことから、筑土八幡宮と呼ばれるようになった。
文明年間(1469年~1487年)に当地を支配していた上杉朝興 (ともおき) によって社殿が建てられ、この産土神 (うぶすながみ) (その人の生まれた土地を守る神、鎮守 (ちんじゅ) の神)とし、江戸鎮護の神と仰いだ。
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参道 - 筑土八幡神社
参道
境内は約2,200平方メートルあり、1945年(昭和20年)の東京大空襲で焼失した社殿も、1963年(昭和38年)に氏子の人々が浄財を集め、熊谷組によって再建された。牛込東部の産土神として尊崇を集めている。

石段が連なる参道の途中には石造りの鳥居がある。1726年(享保11年)、常陸国下館藩主であった黒田直邦 (なおくに) によって奉納された。高さは3.75メートル。新宿区内最古の鳥居で、新宿区の有形文化財に指定されている。
参道の向かいには、再建を請け負った熊谷組の本社ビルが見える。
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御神木と宮比神社 - 筑土八幡神社
御神木と宮比神社
嵯峨 (さが) 天皇の時代(809~823年)に、この地に大変熱心に八幡神を信仰する老人がいた。あるとき、老人の夢の中に神霊が現われ、「我、汝が信心に感じ跡をたれん」との託宣を受けた。
目を覚ました老人は、 (みそぎ) のため井戸へ向かうと、かたわらの松の木の上に細長い旗のような美しい雲がたなびいて、雲の中から白鳩が現われて松の枝にとまった。老人はこれらの出来事を村の人たちに語り、注連縄をまわして、その松を祀った。
これが築土八幡宮の由緒とされている。

御神木に隠れるように、境内社の宮比神社がある。
御祭神は大宮売命 (おおみやのめのみこと) で、「商売繁盛」「所願成就」などの御利益があるとされている。
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百度石と庚申塔 - 筑土八幡神社
百度石と庚申塔
御神木の根元には百度石があり、その右隣に、1664年(寛文4年)に建立された庚申塔 (こうしんとう) がある。太陽、月、桃の木、2匹の猿をあしらった舟型の石造庚申塔である。三猿でなく二猿であり、牡猿・牝猿がどちらも桃の枝を持った姿で表現されている点が珍しいという。新宿区の有形民俗文化財に指定されている。
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田村虎蔵の碑 - 筑土八幡神社
田村虎蔵の碑
童謡「金太郎」「兎と亀」などを作曲した田村虎蔵 (たむら とらぞう) の石碑で、1965年(昭和40年)の建立。田村は築土八幡宮の裏手に住み、作曲活動をしていた。
神輿庫 - 筑土八幡神社
神輿庫
神輿 (みこし) 庫には、現在使用されている1866年(慶応2年)製の神輿と、さらに昔に使われていた1678年(延宝6年)製の神輿が安置されている。
本殿の裏手には、各町内会の神輿の格納庫がある。
毎年9月15日に例大祭が催される。
菊の御紋の水瓶 - 筑土八幡神社
菊の御紋の水瓶
本殿の両脇に、直径1メートルほどの鉄製の大きな水瓶が置いてある。奉納と菊の御紋が描かれているが、詳細は不明。文政2年(1819年)と刻まれていることから、これまた古いものであるようだ。
筑土八幡町遊び場
筑土八幡町遊び場
参道の石段の中腹に、筑土八幡町遊び場という小さな児童公園がある。滑り台と乗り物が1つあるだけだが、陽当たりも良く、小さな子どもを遊ばせるには丁度いいだろう。

交通アクセス

【鉄道】
  • JR総武線・東京メトロ東西線・有楽町線・南北線・都営大江戸線「飯田橋駅」より徒歩10分。
行き方ナビ
出発地の最寄駅:

目的地:筑土八幡神社

近隣の情報

参考サイト

(この項おわり)
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