大津市三保ヶ崎から鴨川合流点までの第1疎水(総延長約20km)と、蹴上から分岐して小川頭にいたる疏水分線(総延長約3.3km)は1890年(明治23年)に完成した。同年4月9日、明治天皇・皇后両陛下の臨幸を仰ぎ、竣工式を挙行した。
1891年(明治24年)には、日本初の営業用水力発電所となる蹴上発電所が運転を開始し、この電力を使って1895年(明治28年)に日本初の電気鉄道となる京都電気鉄道が運行を開始する。
蹴上発電所への送水管。
1912年(明治45年)、第2疏水の完成に伴い第一期蹴上発電所が取り壊され、第二期蹴上発電所が開業した。1936年(昭和11年)には、第一期発電所の跡地に第三期発電所が建設された。
1912年(明治45年)、第2疏水の完成に伴い第一期蹴上発電所が取り壊され、第二期蹴上発電所が開業した。1936年(昭和11年)には、第一期発電所の跡地に第三期発電所が建設された。
2016年(平成28年)、米国電気電子学会 (IEEE) より IEEEマイルストーンに認定された。現在も第三期発電所が稼動している。
第1疎水は、三条橋の近くにある冷泉放水口から鴨川に注ぐ。
琵琶湖疎水記念館の屋外には、蹴上発電所の発電用水車として活躍していたペルトン水車が展示されている。1897年(明治30年)には20台のペルトン水車が稼動しており、1912年(明治45年)まで使われていた。
疏水を利用した水運は、琵琶湖と京都、京都と伏見、宇治川を結んだ。しかし、落差の大きい伏見や蹴上では船が運行できないため、台車に船を載せて上下させるインクラインで運行していた。
蹴上インクラインは、蹴上船溜りから琵琶湖疏水記念館前にある南禅寺船溜りを結ぶ延長640メートル、敷地幅22メートル、勾配15分の1の路線で、運転用の巻き上げ機は蹴上発電所の電力で運転した。通過時間は10分から15分を要した。
1891年(明治24年)、蹴上発電所の開業と同時に運行を開始した。昭和期に入ると鉄道などの交通機関が発達し、舟運の利用は減少し、1948年(昭和23年)11月26日に運行を休止した。1960年(昭和35年)3月には電気設備も撤去され、完全に稼動を休止した。
1891年(明治24年)、蹴上発電所の開業と同時に運行を開始した。昭和期に入ると鉄道などの交通機関が発達し、舟運の利用は減少し、1948年(昭和23年)11月26日に運行を休止した。1960年(昭和35年)3月には電気設備も撤去され、完全に稼動を休止した。
1973年(昭和48年)以降、送水管を敷設するためにレールも撤去されたが、産業遺産と保存するために復元された。また、復元された台車が2台だけ置かれた。
1996年(平成8年)、国の史跡に指定された。
1996年(平成8年)、国の史跡に指定された。
1291年(正応4年)、出家して法王となっていた亀山上皇は、自らが造営した離宮を寺に改め、無関普門が住み着いていた妖怪変化はを退散させ、開山したという。法堂は1909年(明治42年)に再建されたもの。
三門は、歌舞伎で石川五右衛門が「絶景かな!絶景かな!」という台詞をまわす舞台となった場所である。1628年(寛永5年)に寄進されたもので、国の重要文化財に指定されている。
琵琶湖疎水記念館への交通アクセス
【鉄道】
- 地下鉄東西線「蹴上」下車、徒歩約10分
- 市バス5系統「岡崎法勝寺町」下車、徒歩約4分
- 市バス京都岡崎ループ「南禅寺・疏水記念館・動物園東門前」下車すぐ
参考サイト
- 琵琶湖疎水:京都市上下水道局
- 琵琶湖疎水:日本遺産
- 琵琶湖疎水記念館
- 南禅寺
- 哲学の道は琵琶湖疎水に沿った散歩道:ぱふぅ家のホームページ
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近隣の情報
- 琵琶湖疎水と南禅寺:ぱふぅ家のホームページ
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(この項おわり)
写真の水路閣は南禅寺の境内にある全長90メートルのレンガ造りのアーチ橋で、テレビドラマの撮影などに利用されて有名になった。
京都にとって琵琶湖の水を引くことは昔からの夢だった。幕末に荒廃した
1881年(明治14年)、第3代京都府知事に就任した北垣国道が琵琶湖疎水を計画し、1885年(明治18年)に着工した。