概要

ジスカルド「いつも振りかえってみる地球というものがなければ、過去という神を祭りあげる地球がなければ――彼らは銀河帝国を築くだろう」(329ページ)
あらすじ
惑星ソラリアで、一行は監督ロボットに襲われる。ロボット工学三原則があるのに、なぜ人間であるD・Gが襲われたのか。三原則に改変が加えられたという疑念は、ダニールとジスカルドに混乱をもたらした。
一行はソラリアを脱出し、ベイリ・ワールドへ帰還した。グレディアは、大勢のセツラーを前にスピーチを行う。
一行はソラリアを脱出し、ベイリ・ワールドへ帰還した。グレディアは、大勢のセツラーを前にスピーチを行う。
ジスカルド「いつも振りかえってみる地球というものがなければ、過去という神を祭りあげる地球がなければ――彼らは銀河帝国を築くだろう」(329ページ)
あらすじ
惑星ソラリスをめざし、グレディアがロボットたちとともに旅立ったころ、惑星オーロラのロボット工学研究所長ケルドン・アマディロが、2世紀にわたる恨みを晴らすべく、グレディアの子孫でアマディロに自らを売り込んだレヴュラー・マンダマスとともに陰謀を巡らしていた。一方、ロボット工学研究所の所員で、死んだハン・ファストルフ博士の娘でもあるヴァジリア・エイリアナ博士は、ロボット・ジルカルド・レベントロフの特異な能力に気づいていた。

惑星オーロラに戻ったグレディア一行は、ヴァジリア博士と対峙するが、ジルカルドの能力を使って危機を脱する。
ジスカルドとロボット・ダニール・オリヴォーは、アマディロらが核反応増強装置を使って地球を危機に陥れようとしている陰謀に気づくが、どのような危機が訪れるのか見当もつかなかった。グレディアはロボットを連れて地球を訪れるが、この時代の地球のエネルギー源は太陽光が主流で、核融合エネルギーはほとんど使われていなかったのだ。
そんな中、ダニールは、ロボット工学三原則を補足する第零法則を考えだし、それに基づいた行動をしていこうとする。

グレディアは、ベイリ・ワールドで行ったように、ニューヨーク・シティで演説を行おうとする。だが、暗殺ロボットがブラスター銃を撃ってきた。狙いはグレディアではなく、ジスカルドだった。

ダニールとジスカルドは、グレディアをD・G・ベイリに託し、アマディロの行方を追った。そして、ついにアマディロとマンダマスを追い詰める。だが、自体は思わぬ方向へ展開する。
ダニールは立ちあがった。彼はひとりぽっちになった――その肩に、銀河系を背負って。

惑星オーロラに戻ったグレディア一行は、ヴァジリア博士と対峙するが、ジルカルドの能力を使って危機を脱する。
ジスカルドとロボット・ダニール・オリヴォーは、アマディロらが核反応増強装置を使って地球を危機に陥れようとしている陰謀に気づくが、どのような危機が訪れるのか見当もつかなかった。グレディアはロボットを連れて地球を訪れるが、この時代の地球のエネルギー源は太陽光が主流で、核融合エネルギーはほとんど使われていなかったのだ。
そんな中、ダニールは、ロボット工学三原則を補足する第零法則を考えだし、それに基づいた行動をしていこうとする。

グレディアは、ベイリ・ワールドで行ったように、ニューヨーク・シティで演説を行おうとする。だが、暗殺ロボットがブラスター銃を撃ってきた。狙いはグレディアではなく、ジスカルドだった。

ダニールとジスカルドは、グレディアをD・G・ベイリに託し、アマディロの行方を追った。そして、ついにアマディロとマンダマスを追い詰める。だが、自体は思わぬ方向へ展開する。
ダニールは立ちあがった。彼はひとりぽっちになった――その肩に、銀河系を背負って。
レビュー
ベイリ・ワールドでグレディアは、「すべての人間に敬意をはらうだけでは充分ではない、知性ある存在にはすべて敬意をはらうべきです」とスピーチしたが、これは作者であるアシモフの祈りに等しい言葉のように感じる。
アシモフは、高IQ団体「メンサ」の副議長を務め、同じ会員だった人工知能学者マービン・ミンスキーを尊敬していた。ミンスキーはプログラミング言語LOGOを開発し、ニューラルネットワークの基礎理論「パーセプトロン」を著した。これは、現在のディープラーニングの祖先とも言える情報工学理論だ。もう一人、アシモフが敬意を表していたのは、天文学者で作家のカール・セーガンだ。
アシモフは飛行機嫌いで、残念ながら、生でお会いすることはかなわなかったが、ミンスキーとセーガンの講演会には足を運んだ。知性のある人のする話は楽しい。

本書は、アシモフのロボット・シリーズと銀河帝国シリーズを結ぶ橋渡しの役割をしている。本書の翌年に刊行された『ファウンデーションと地球』は、1万年以上未来の話であるが、ここで、われわれはR・ダニール・オリヴォーに再開することになる。
アシモフが描く人型ロボットは、欧米の小説によく見られるフランケンシュタイン・コンプレックスとはまったく無縁な、どちらかと言えば、日本の漫画やアニメに出てくるロボットに近い――。
ダニールの名は、旧約聖書に登場する賢者で守護聖人のダニエルに由来するという。
アシモフは、高IQ団体「メンサ」の副議長を務め、同じ会員だった人工知能学者マービン・ミンスキーを尊敬していた。ミンスキーはプログラミング言語LOGOを開発し、ニューラルネットワークの基礎理論「パーセプトロン」を著した。これは、現在のディープラーニングの祖先とも言える情報工学理論だ。もう一人、アシモフが敬意を表していたのは、天文学者で作家のカール・セーガンだ。
アシモフは飛行機嫌いで、残念ながら、生でお会いすることはかなわなかったが、ミンスキーとセーガンの講演会には足を運んだ。知性のある人のする話は楽しい。

本書は、アシモフのロボット・シリーズと銀河帝国シリーズを結ぶ橋渡しの役割をしている。本書の翌年に刊行された『ファウンデーションと地球』は、1万年以上未来の話であるが、ここで、われわれはR・ダニール・オリヴォーに再開することになる。
アシモフが描く人型ロボットは、欧米の小説によく見られるフランケンシュタイン・コンプレックスとはまったく無縁な、どちらかと言えば、日本の漫画やアニメに出てくるロボットに近い――。
ダニールの名は、旧約聖書に登場する賢者で守護聖人のダニエルに由来するという。
(2018年1月14日 読了)
アイザック・アシモフの作品紹介
発表年 | 作品名 |
---|---|
1950年 | われはロボット |
1951年 | 銀河帝国興亡史1 ファウンデーション |
1952年 | 銀河帝国興亡史2 ファウンデーション対帝国 |
1953年 | 銀河帝国興亡史3 第二ファウンデーション |
1954年 | 鋼鉄都市 |
1955年 | 永遠の終り |
1957年 | はだかの太陽 |
1959年 | 停滞空間 |
1976年 | 聖者の行進 |
1982年 | 銀河帝国興亡史4 ファウンデーションの彼方へ |
1983年 | 夜明けのロボット |
1985年 | ロボットと帝国 |
1986年 | 銀河帝国興亡史5 ファウンデーションと地球 |
1988年 | 銀河帝国興亡史6 ファウンデーションへの序曲 |
1992年 | 銀河帝国興亡史7 ファウンデーションの誕生 |
2000年 | アンドリューNDR114 |
参考サイト
- 『仮想空間計画』:ぱふぅ家のホームページ
- 『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』:ぱふぅ家のホームページ
- 『AIが人間を殺す日』:ぱふぅ家のホームページ
- 『AI vs.教科書が読めない子どもたち』:ぱふぅ家のホームページ
(この項おわり)
地球人は再び宇宙移民を開始し、植民国家連合(セツラー・ワールド)を形成し、宇宙国家(スペーサー・ワールド)を凌ぐ勢いとなった。そんな中、宇宙国家で最も新しい惑星ソラリアからの音信が途絶えた。ソラリア出身のグレディア(『はだかの太陽』参照)は、イライジャの7代目の子孫を名乗るD・G(ダニール・ジスカルド)・ベイリとともにソラリアを訪れる。