西暦1789年 - フランス革命

共和制と立憲君主制の間を揺れ動く
サン・キュロット
18世紀のフランスでは、ブルボン朝の財政失敗と凶作により、パン代が民衆の生活費の88%を占めていた。

貴族が持っていた免税特権の廃止を求めた政府に対し、175年ぶりに三部会 (さんぶかい) (第一身分=聖職者、第二身分=貴族、第三身分=市民)の開催を求める貴族の反乱が始まった。
1789年6月、三部会が開催されると、第三身分である市民が憲法の制定を求めて譲らず、ついに第三身分からなる国民議会を単独開催することになる。
バスティーユ襲撃
政府が国民議会を弾圧しようとしたところ、1789年7月14日、武器が火薬が貯蔵されていると見られているバスティーユ牢獄が市民の襲撃を受ける。
現在、この7月14日がフランス革命記念日とされている。

パリは大混乱に陥り、反乱は地方に拡大した。8月、農奴制や地代を廃止するなど封建特権が廃止され、ラファイエットが起草したフランス人権宣言が発表される。

フランス革命の展開

1789年10月、国王ルイ16世をパリに連行する10月事件(ヴェルサイユ行進)が起きる。
1791年6月20日、ルイ16世は1770年5月に結婚したオーストリア皇女のマリー・アントワネットと子どもたちを連れて馬車で宮殿を脱出しようとするが未遂に終わるヴァレンヌ事件が起きる。このことが国民の不信感を煽った。

一方、革命を穏便に進めていたジロンド派は、1791年3月に内閣を立ち上げ、9月には穏健な1791年憲法が制定され、イギリスのような立憲君主制度へ移行することになった。

しかし、1792年4月、王妃アントワネットの故郷であるオーストリアと戦争状態に入る。戦局は終始オーストリアが優勢で、ジロンド派内閣の責任が問われる。そんな中、貧民層の支持を受けた過激なジャコバン派が台頭し、8月、テュイルリー宮を襲撃する8月10日事件が起きる。王権は停止され、フランスは共和制へ移行する。国王一家は幽閉される。
近隣のオーストリアやプロイセンは市民革命に対して反対を唱えるが、これを受け、1792年9月、義勇軍がヴァルミーの戦いでプロイセン軍を撃退する。

1793年1月21日、革命広場でギロチンを使ってルイ16世が公開処刑される。この動きを警戒したイギリスは、第1回対仏大同盟を結成して対抗する。
フランス内外の危機が高まったため、ロベスピエールを中心とすジャコバン派が独裁政治を行うようになる。
1793年6月2日、ジロンド派の議員が次々と逮捕され、リーダーの夫人であったロラン夫人も逮捕される。
王妃マリー・アントワネットに対する裁判が10月12日に始まり、10月16日、アントワネットは国王と同じ革命広場でギロチンによって処刑される。また、11月8日にはロラン夫人が処刑される。

一方、土地を得て保守化した農民は独裁政治に対して反旗を翻し、1794年、テルミドールの反動でロベスピエールは失脚する。
1795年、憲法が制定され、5人の総裁からなる総裁政府が誕生する。これに対し、1799年、イギリスが第2回対仏大同盟が結成される。

こうしてフランス革命は収束していくが、続いてナポレオンが台頭してくることになる。

スタンフォード大学の史料

スタンフォード大学の図書館が、フランス革命に関する約1万4000枚の画像と当時の議会資料、書簡、レポート、スピーチ等のコレクションを無料公開している。
1万4000枚の画像の中には絵画や風刺画が大量に含まれており、革命時に何が起こっていたのか、どんな雰囲気だったのかをじっくり見ることができる。

この時代の世界

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参考書籍

表紙 フランス革命
著者 柴田三千雄
出版社 岩波書店
サイズ 文庫
発売日 2007年12月
価格 1,404円(税込)
rakuten
ISBN 9784006001896
「フランス革命」とは、いったい何だったのか。フランス史研究の第一人者が、戦前からの研究史を踏まえて社会史の視点から読み解く。革命を旧特権エリート、新興中間層、民衆の三極構造として捉え、どのように民衆の世界が解体され、近代国民国家へと再編成されていったかを考察する。「補論 フランス革命と明治変革」併載。
 
表紙 絵で見るフランス革命 イメージの政治学
著者 多木浩二
出版社 岩波書店
サイズ 新書
発売日 2006年05月
価格 842円(税込)
rakuten
ISBN 9784004300748
フランス革命には膨大な絵画が残されている。国王や王妃らの権力者を風刺した漫画から、民衆のエネルギーをダイナミックに描いた作品まで、革命のさまざまな側面が大胆に描かれ、当時の社会や思想状況について新しい視点を提供してくれる。革命の勃発からナポレオンの登場まで、絵画の中から歴史をたどり、革命の意味をあらためて問う。
 

参考サイト

(この項おわり)
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