西暦1222年 - スノッリのエッダ

アイスランド、ノルウェー、デンマークの関係
『エッダ』表紙(18世紀アイスランドの写本)
『エッダ』表紙(18世紀アイスランドの写本)
1222年、アイスランドの詩人、スノッリ・ストゥルルソンが、北欧神話を題材にした詩の教本『スノッリのエッダ』を著す。失われた古エッダやスカルド詩を多く含んでおり、北欧神話やゲルマン神話を復元する手がかりとなった。

序文及び3部の独立した作品からなり、最初に執筆された第3部は1222~1223年に、それ以外は1225年頃に執筆されたとみられている。
スノッリ(『ヘイムスクリングラ』挿絵)
スノッリ(『ヘイムスクリングラ』挿絵)
スノッリは、アイスランドの権力者ストゥルラ・ソールザルソンの末子として産まれた。遺産相続のいざこざから、アイスランド南部オッディの首長ヨーン・ロフツソンの養子になる。

1215年、スノッリはアイスランドのゴジ(族長)に選ばれ、権力欲にとらわれる。
1218年から1220年にかけ、スカンディナビアを訪れ、ノルウェー各地の史跡を見て周り、ノルウェー王朝の歴史『ヘイムスクリングラ』を著す。

1220年、スノッリはノルウェー王ホーコン4世からアイスランド総督に任ぜられた。だが、アイスランドがノルウェー王の統治下に入る努力を怠り、ホーコン4世の不興を買う。
ホーコン4世は、スノッリの甥ストゥルラに働きかけ、スノッリを襲った。スノッリは降伏し、1237年、ノルウェーへ送られた。
スノッリはホーコン4世と対立するスクーリ公の屋敷に滞在していたことから、1241年9月、暗殺される。ホーコン4世は「命令に従っていれば重い罰は与えなかった」と、スノッリの死を悼んだとされる。

1262年、アイスランドはノルウェーの事実上の植民地になった。ホーコン4世の子、マグヌス6世の1264年、アイスランドはノルウェーの属国となった。
1380年、アイスランドはノルウェーとともにデンマークに帰属する。1814年のキール条約により、デンマーク=ノルウェーは解消されたが、アイスランドはデンマーク領として取り残された。
1918年、デンマーク国王との同君連合として独立し、アイスランド王国となる。
1940年4月、ナチス・ドイツがデンマークを占領するが、イギリスが航路防衛ためにアイスランド王国に侵攻、全土を占領した。その後、アメリカが替わって占領を続け、1944年6月、アイスランド共和国としてデンマークから分離・独立を宣言する。

この時代の世界

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参考書籍

表紙 エッダとサガ: 北欧古典への案内
著者 谷口 幸男
出版社 新潮社
サイズ 全集・双書
発売日 2017年07月27日頃
価格 1,650円(税込)
ISBN 9784106038136
いにしえのゲルマン人が育んだ、豊饒なる古典世界への扉を開く。古きゲルマン神話を伝える詩篇「エッダ」では、万物の父オーディン、槌をふるう雷神トール、ひねくれ者ロキといった神々と英雄たちが躍動する。欧州の初期中世文学に冠たる散文芸術「サガ」は、アイスランドの人々の生活や信仰、ヴァイキングの冒険などを生き生きと描く。日本における古北欧文学研究の第一人者が、古典のエッセンスを広く知らしめた名著。
 
表紙 C.M.B.森羅博物館の事件目録 第38巻
著者 加藤 元浩
出版社 講談社
サイズ コミック
発売日 2018年06月15日頃
価格 484円(税込)
ISBN 9784065118900
 

参考サイト

(この項おわり)
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