![スケーラブルアーキテクチャ - Core™ Ultra](CoreUltra_000.png)
スケーラブルアーキテクチャ - Core™ Ultra
Core™ Ultraシリーズ
アーキテクチャ | CPU型番 | Pコア数 | Pコア 最大周波数 (GHz) |
Eコア数 | LP-E コア数 |
グラフィック | プロセス ルール |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | Meteor Lake | 105UL~185H | 2~6 | 4.2~5.1 | 4~8 | 2 | Arc Graphics Intel Graphics |
Intel 4 |
シリーズ1:Meteor Lake
![Meteor Lakeのダイ](CoreUltra_101.png)
Meteor Lakemのダイ
Core™ Ultra シリーズは、コンピューティング(CPU)、グラフィックス(GPU)、SoC(従来のチップセットの役割などを担当)、I/O(Thunderbolt 4などのインタフェースを搭載)のタイルに分割し、Foveros と呼ぶ3D技術を使って1つのパッケージに集約している。タイル間のデータ転送速度は非常に高速で、電力効率も高い。コンピューティング・タイルはインテル初となるプロセスルール Intel 4 を採用した。
![Meteor Lakeのブロック図(予想)](CoreUltra_102.png)
Meteor Lakeのブロック図(予想)
また、グラフィックス・タイルは台湾TSMCの TSMC N5、SoCタイルとI/Oタイルは同じくTSMCの TSMC N6 という異なるプロセス技術を組み合わせており、高性能な製品を低コストで実現できた。また、タイル単位での機能のアップグレードも期待できる。
![](../../../common/space.gif)
コンピューティングを担当する Pコア と Eコア は、Intel 4 の採用により電力効率が向上した。
![](../../../common/space.gif)
SoCタイルはチップセットの役割を担い、AI推論エンジン NPU と LP-Eコア(低電力Eコア)を搭載する。Eコアでも性能を持て余すシーンが多いことから、まず消費電力の小さい LP-Eコア に処理を担当させ、能力不足であれば、Eコア、Pコアの順に処理を移していくことで、消費電力を低減する。
![](../../../common/space.gif)
コンピューティングを担当する Pコア と Eコア は、Intel 4 の採用により電力効率が向上した。
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SoCタイルはチップセットの役割を担い、AI推論エンジン NPU と LP-Eコア(低電力Eコア)を搭載する。Eコアでも性能を持て余すシーンが多いことから、まず消費電力の小さい LP-Eコア に処理を担当させ、能力不足であれば、Eコア、Pコアの順に処理を移していくことで、消費電力を低減する。
また、これまでGPUに搭載されていた動画エンコードやデコードを担うメディアエンジンと、映像出力関連を制御するディスプレイエンジンも SoCタイルに搭載し、ネット配信動画くらいであれば、コンピューティング・タイルとグラフィックス・タイルを動かさなくても再生できる。
さらに、SATA、USB、LAN、オーディオ機能なども SoCタイルに搭載する。
![](../../../common/space.gif)
グラフィックス・タイルには、ゲーマー向けグラフィックスボードに採用されている「Xe-HPG」アーキテクチャーをベースに、レイトレーシング機能を搭載するなど機能も充実させた「Xe-LPG」アーキテクチャー(LPGはLow Power Graphicsの略)を採用した Arc Graphics が搭載されている。
![](../../../common/space.gif)
I/Oタイルには、PCIe Gen5やThunderbolt 4などの高速インタフェース類を搭載する。
![](../../../common/space.gif)
SoCタイルに搭載する NPU(Neural network Processing Unit)は、CPUよりも低消費電力で高速のAI推論を実行できるプロセッサだ。
Core™ Ultra の NPU には、MACアレイ(行列演算器)とDSP(Digital Signal Processor)のSHAVE(Streaming Hybrid Architecture Vector Engine)などで構成された2つのNeural Compute Engineが内蔵されており、インテルのAI開発キット「OpenVINO」のAPIを介して利用できる。
さらに、SATA、USB、LAN、オーディオ機能なども SoCタイルに搭載する。
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グラフィックス・タイルには、ゲーマー向けグラフィックスボードに採用されている「Xe-HPG」アーキテクチャーをベースに、レイトレーシング機能を搭載するなど機能も充実させた「Xe-LPG」アーキテクチャー(LPGはLow Power Graphicsの略)を採用した Arc Graphics が搭載されている。
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I/Oタイルには、PCIe Gen5やThunderbolt 4などの高速インタフェース類を搭載する。
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SoCタイルに搭載する NPU(Neural network Processing Unit)は、CPUよりも低消費電力で高速のAI推論を実行できるプロセッサだ。
Core™ Ultra の NPU には、MACアレイ(行列演算器)とDSP(Digital Signal Processor)のSHAVE(Streaming Hybrid Architecture Vector Engine)などで構成された2つのNeural Compute Engineが内蔵されており、インテルのAI開発キット「OpenVINO」のAPIを介して利用できる。
なお、2024年(令和6年)1月にリリースされたUシリーズ(3桁の型番の末尾にUがつくもの)は、Core™ Ultra ブランドを冠しているものの、廉価モバイルデバイス向けに販売するもので、第13世代Core iプロセッサー Raptor Lakeを搭載するもので、NPUやLP-Eコアは搭載せず、グラフィックもIntel Grraphicsである。
CPUの歴史
発表年 | メーカー | CPU名 | ビット数 | 最大クロック |
---|---|---|---|---|
1971年 | インテル | 4004 | 4bit | 750KHz |
1974年 | インテル | 8080 | 8bit | 3.125MHz |
1975年 | モステクノロジー | MOS 6502 | 8bit | 3MHz |
1976年 | ザイログ | Z80 | 8bit | 20MHz |
1978年 | インテル | 8086 | 16bit | 10MHz |
1979年 | モトローラ | MC6809 | 8bit | 2MHz |
1979年 | ザイログ | Z8000 | 16bit | 10MHz |
1980年 | モトローラ | MC68000 | 16bit | 20MHz |
1984年 | インテル | 80286 | 16bit | 12MHz |
1985年 | インテル | 80386 | 32bit | 40MHz |
1985年 | サン・マイクロシステムズ | SPARC | 32bit | 150MHz |
1986年 | MIPS | R2000 | 32bit | 15MHz |
1987年 | ザイログ | Z280 | 16bit | 12MHz |
1987年 | モトローラ | MC68030 | 32bit | 50MHz |
1989年 | インテル | 80486 | 32bit | 100MHz |
1991年 | MIPS | R4000 | 64bit | 200MHz |
1990年 | モトローラ | MC68040 | 32bit | 40MHz |
1993年 | インテル | Pentium | 32bit | 300MHz |
1994年 | IBM, モトローラ | PowerPC 603 | 32bit | 300MHz |
1995年 | サイリックス | Cyrix Cx5x86 | 32bit | 133MHz |
1995年 | AMD | Am5x86 | 32bit | 160MHz |
1995年 | サン・マイクロシステムズ | UltraSPARC | 64bit | 200MHz |
1999年 | IBM, モトローラ | PowerPC G4 | 32bit | 1.67GHz |
1999年 | AMD | Athlon | 32bit | 2.33GHz |
2000年 | インテル | Pentium 4 | 32bit | 3.8GHz |
2001年 | インテル | Itanium | 64bit | 800MHz |
2003年 | AMD | Opteron | 64bit | 3.5GHz |
2003年 | インテル | Pentium M | 32bit | 2.26GHz |
2006年 | SCE,ソニー,IBM,東芝 | Cell | 64bit | 3.2GHz |
2006年 | インテル | Core Duo | 32bit | 2.33GHz |
2006年 | インテル | Core 2 Duo | 64bit | 3.33GHz |
2008年 | インテル | Core i9/i7/i5/i3 | 64bit | 5.8GHz |
2017年 | AMD | Ryzen | 64bit | 5.7GHz |
2020年 | Apple | M1 | 64bit | 3.49GHz |
2023年 | インテル | Core Ultra 9 / 7 / 5 | 64bit | 5.1GHz |
参考サイト
- インテル® Core™ Ultra プロセッサー・ファミリー
- Apple M1/M2/M3/M4 は Apple独自マイクロプロセッサ:ぱふぅ家のホームページ
- AMD Ryzenはインテル製CPUを超えるパフォーマンス:ぱふぅ家のホームページ
- Core i シリーズは15年近く続いたロングラン製品:ぱふぅ家のホームページ
- Intel Core 2 Duo は 64ビットCPU:ぱふぅ家のホームページ
- Intel Core Duo はモバイル向け初のデュアルコア:ぱふぅ家のホームページ
- 「Pentium M」はPentium 4を駆逐する?:ぱふぅ家のホームページ
- PHPで対数グラフ(ムーアの法則)を描く:ぱふぅ家のホームページ
- C++ で CPU情報を取得:ぱふぅ家のホームページ
(この項おわり)
2024年(令和6年)5月現在、シリーズ1にあたる Meteor Lakeが販売中だ。