PowerPC G4 は AltiVecを搭載

1999年8月リリース
PowerPC 7400(G4)
PowerPC G4 は、Power PC の第4世代で、アップルが好んでこの名を使った。1999年(平成11年)にリリースされた PowerPC 7400 が最初のG4である。

当初歩留まりが悪く、モトローラはアップルと約束していた500MHz版を供給できず、PowerMac G4 には400MHzが搭載された。PowerPC 7410で500MHz版がリリースされ、Power Book G4(Ti) に搭載され、わが家にやって来た。
PowerPC 7400/7410(G4) 内部ブロック図
PowerPC 7400/7410(G4) 内部ブロック図
PowerPC G4 は、AltiVec(アップルは Velocity Engine)と呼ばれる128ビットのベクトル演算ユニットを搭載しており、単精度浮動小数演算(32ビット)を4本並列で、わずか1サイクルで実行することができる。
だが、AltiVecを活用するにはアプリケーション側で対応する必要がある。対応している iTunes のエンコード速度は飛躍的に向上したものの、非対応のアプリケーションでは体感できるほどの速度向上はなかった。
最初に登場した PowerPC G4 の正式名称は PowerPC 7400 である。大部分はモトローラが設計し、銅配線技術を使った200nmの6層メタルCMOSプロセスで実装され、消費電力が低くすることができた。しかし、歩留まりが悪く、500MHzでの動作も安定しなかった。

PowerPC 7410 ではプロセスが180nmに微細化され、500MHzで安定的に動作するようになり、Power Book G4(Ti) に搭載された。
PowerPC 7450
PowerPC 7450
2001年(平成13年)に登場した PowerPC 7450 ではアーキテクチャが大きく変わった。スーパースカラ実行が2+1(1分岐)から3+1へ、パイプラインは整数で4段から6~7段、浮動小数では6段から11段へ長くなった。整数演算ユニットは倍増し、AltiVecユニットも改良された。また、アウト・オブ・オーダー実行機構を強化した。
さらに、256KBオンチップL2キャッシュを搭載し、最大2MBまでの外部L3キャッシュをサポートした。
これにより、トランジスタ数は3300万個と約3倍に増えた。
2002年(平成14年)8月に登場した PowerPC 7455 で、初めてクロック数が1GHzを超えた。しかし、同時期のIntel Pentium 4 は2GHzを超えており、Appleの劣勢はいかんともしがたかった。
2005年(平成17年)1月に登場した PowerPC 7457 は1.67GHzに到達し、PowerBook G4 に搭載されたが、これが最後のPowerBookとなった。
PowerPC 970
PowerPC 970
CPU性能競争でIntel勢に水をあけられたAppleはモトローラに見切りを付け、IBMが開発した64ビット・マイクロプロセッサ POWER4 を簡素化したRISCマイクロプロセッサ PowerPC 970 をIBMと共同開発し、PowerPC G5 と名付けた。
2003年(平成15年)6月に出荷された PowerMac G5 に搭載され、最大クロックは2.0GHzだった。

90nm SOIプロセスで製造された PowerPC 970FX は、2005年(平成17年)7月、最高クロック2.7GHzに到達するが、AppleはここでPowerPC に見切りを付け、Intel Core プロセッサへ移行することになる。

主要スペック

項目 仕様
メーカー IBM, モトローラ
発売開始 1999年
トランジスタ数 1050万~5800万
データバス 32ビット
1次キャッシュ 32KB
2次キャッシュ 256~512KB
3次キャッシュ 2MB
物理メモリ 4GB
CPUクロック 350~1670MHz
プロセスルール 200~90nm

CPUの歴史

発表年 メーカー CPU名 ビット数 最大クロック
1971年インテル40044bit750KHz
1974年インテル80808bit3.125MHz
1975年モステクノロジーMOS 65028bit3MHz
1976年ザイログZ808bit20MHz
1978年インテル808616bit10MHz
1979年モトローラMC68098bit2MHz
1979年ザイログZ800016bit10MHz
1980年モトローラMC6800016bit20MHz
1984年インテル8028616bit12MHz
1985年インテル8038632bit40MHz
1985年サン・マイクロシステムズSPARC32bit150MHz
1986年MIPSR200032bit15MHz
1987年ザイログZ28016bit12MHz
1987年モトローラMC6803032bit50MHz
1989年インテル8048632bit100MHz
1991年MIPSR400064bit200MHz
1990年モトローラMC6804032bit40MHz
1993年インテルPentium32bit300MHz
1994年IBM, モトローラPowerPC 60332bit300MHz
1995年サイリックスCyrix Cx5x8632bit133MHz
1995年AMDAm5x8632bit160MHz
1995年サン・マイクロシステムズUltraSPARC64bit200MHz
1999年IBM, モトローラPowerPC G432bit1.67GHz
1999年AMDAthlon32bit2.33GHz
2000年インテルPentium 432bit3.8GHz
2001年インテルItanium64bit800MHz
2003年AMDOpteron64bit3.5GHz
2003年インテルPentium M32bit2.26GHz
2006年SCE,ソニー,IBM,東芝Cell64bit3.2GHz
2006年インテルCore Duo32bit2.33GHz
2006年インテルCore 2 Duo64bit3.33GHz
2008年インテルCore i9/i7/i5/i364bit5.8GHz
2017年AMDRyzen64bit5.7GHz
2020年AppleM164bit3.49GHz
2023年インテルCore Ultra 9 / 7 / 564bit5.1GHz

参考サイト

(この項おわり)
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