西暦1511年 - 『愚神礼讃』の刊行

宗教改革期の風刺文学
エラスムス
エラスムス
ネーデルランド出身のエラスムスは、1509年、ロンドンを訪れた。トマス・モアと知り合い、わずか1週間で『愚神礼讃』(『痴愚神礼讃』)を書き上げた。
トマス・モアのラテン名モルスから、痴愚の女神モリアが語るという形式をとっており、当時の教会の形式化や聖職者の偽善をするどく風刺したラテン語の書籍である。
1511年、初版が刊行された。
愚神礼讃』に刺激され、1516年、トマス・モアは『ユートピア』を著す。また、マルティン・ルターは、1517年、95ヶ条の論題を発表した。
カトリック教会内に知己が多く教会に忠実であったエラスムスは、ルターに自重を求めたが、これは聞き入れられなかった。また、トマス・モアは1535年、大逆罪で処刑された。

この時代の世界

1425 1450 1475 1500 1525 1550 1575 1600 1511 『愚神礼讃』の刊行 1466 1536 エラスムス 1516 『ユートピア』の刊行 1478 1535 トマス・モア 1517 95ヶ条の論題 1483 1546 マルティン・ルター 1486 「魔女の鉄槌」の出版 1497 「最後の晩餐」の完成 1452 1519 レオナルド・ダ・ヴィンチ 1532 マキャベリ『君主論』出版 1469 1527 マキャベリ 1493 1541 パラケルスス 1471 1528 デューラー 1483 1520 ラファエロ 1473 1543 コペルニクス 1475 1564 ミケランジェロ 1491 1556 イグナチオ・デ・ロヨラ 1503 1566 ノストラダムス 1475 1521 レオ10世 1524 農民戦争 1489 1525 トマス・ミュンツァー 1534 首長法 1494 トルデシリャス条約 1469 1521 マヌエル1世 1469 1524 ヴァスコ・ダ・ガマ 1519 1522 マゼランの世界周航 1480 1521 マゼラン 1468 1549 パウルス3世 1529 サラサゴ条約 1527 ローマ略奪 1500 1558 カール5世 1499 1565 ピウス4世 1491 1547 ヘンリー8世 1494 1547 フランソワ1世 1529 ウィーン包囲 1492 1519 ロレンツォ・ディ・ピエロ・デ・メディチ 1549 ザビエル来日 1506 1552 フランシスコ・ザビエル 1487 1541 北条氏綱 1496 1557 後奈良天皇 1507 1551 大内義隆 1507 1551 斎藤道三 1511 1550 足利義晴 1494 1574 武田信虎 1497 1571 毛利元就 1519 1560 今川義元 1523 1563 毛利隆元 1515 1571 北条氏康 1543 鉄砲伝来 1526 石見銀山の開発はじまる 1483 銀閣建立 1488 加賀の一向一揆 1493 明応の政変 1466 1523 足利義稙 1517 マムルーク朝の滅亡 1494 1566 スレイマン1世 1464 1520 セリム1世 1487 1524 イスマーイール1世 1465 1554 ピリ・レイス 1513 ピリ・レイスの地図 1529 ウィーン包囲 1483 1530 バーブル 1526 ムガル帝国の建国 1480 モスクワ大公国の独立 1521 アステカ帝国が滅びる 1485 1547 コルテス 1533 インカ帝国が滅びる 1475 1541 ピサロ 1472 1528 王守仁 1500 1559 王直 Tooltip

参考書籍

表紙 痴愚神礼讃 - ラテン語原典訳
著者 デシデリウス・エラスムス/沓掛良彦
出版社 中央公論新社
サイズ 文庫
発売日 2014年01月
価格 925円(税込)
rakuten
ISBN 9784122058767
ルネサンス期の大知識人エラスムスが、友人トマス・モアに捧げた驚天動地の戯文。痴愚の女神なるものを創造し、人間の愚行を完膚なきまでに嘲弄する。堕落する教界、腐敗を極める世俗権力。当時の社会、人びとを観察し、エラスムスが描き出した痴愚や狂気は、いまなお私たちをとらえてはいないか。ラテン語原典からリズムある新鮮な訳が生まれた。
 
表紙 痴愚神礼讃
著者 デシデリウス・エラスムス/渡辺一夫(フランス文学)
出版社 中央公論新社
サイズ 新書
発売日 2006年09月
価格 1,674円(税込)
rakuten
ISBN 9784121600929
古代ギリシア・ローマの素養を駆使した諷刺と警句の戯文。
 
表紙 エラスムス=トマス・モア往復書簡
著者 デシデリウス・エラスムス/トマス・モーア
出版社 岩波書店
サイズ 文庫
発売日 2015年06月
価格 1,166円(税込)
rakuten
ISBN 9784003361238
『痴愚神礼讃』のエラスムスと『ユートピア』のトマス・モアー。その固い友情がのちに伝説化されるまでになった二人の往復書簡全五十通に、十六世紀ヨーロッパにおける知識人の交流・活動の様子や政局を読む。ルネサンスと宗教改革を内側から語る貴重な証言。
 
(この項おわり)
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