
『ユートピア』1518年版

トマス・モア
『ユートピア』は、モアがギリシア語から造語したもので、「どこにもない国」という意味である。

ユートピアでは、人は6時間しか働かず、余暇を教養を高めることに充てることができ、僧とか貴族は存在せず、誰もが満ち足りた生活のできるものという設定で、当時のイギリスの制度や社会を批判した。
また、イングランドの地主や長老がフランドルとの羊毛取引のために農場を囲い込んで羊を飼い、村落共同体を破壊し、農民たちを放逐するエンクロージャーについて、「羊が人間を食べている」と風刺した。

ユートピアでは、人は6時間しか働かず、余暇を教養を高めることに充てることができ、僧とか貴族は存在せず、誰もが満ち足りた生活のできるものという設定で、当時のイギリスの制度や社会を批判した。
また、イングランドの地主や長老がフランドルとの羊毛取引のために農場を囲い込んで羊を飼い、村落共同体を破壊し、農民たちを放逐するエンクロージャーについて、「羊が人間を食べている」と風刺した。

ヘンリー8世
この時代の世界
参考書籍
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ユートピア | ||
著者 | トマス・モア/平井 正穂 | ||
出版社 | 岩波書店 | ||
サイズ | 文庫 | ||
発売日 | 1957年10月07日頃 | ||
価格 | 858円(税込) | ||
ISBN | 9784003220214 | ||
表題の「ユートピア」とは「どこにも無い」という意味のトマス・モア(1478-1535)の造語である。モアが描き出したこの理想国は自由と規律をかねそなえた共和国で、国民は人間の自然な姿を愛し「戦争でえられた名誉ほど不名誉なものはない」と考えている。社会思想史の第一級の古典であるだけでなく、読みものとしても十分に面白い。 | |||
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エラスムス=トマス・モア往復書簡 | ||
著者 | 沓掛 良彦/高田 康成 | ||
出版社 | 岩波書店 | ||
サイズ | 文庫 | ||
発売日 | 2015年06月16日頃 | ||
価格 | 1,188円(税込) | ||
ISBN | 9784003361238 | ||
『痴愚神礼讃』のエラスムスと『ユートピア』のトマス・モアー。その固い友情がのちに伝説化されるまでになった二人の往復書簡全五十通に、十六世紀ヨーロッパにおける知識人の交流・活動の様子や政局を読む。ルネサンスと宗教改革を内側から語る貴重な証言。 | |||
(この項おわり)
1509年に来訪したエラスムスが『愚神礼讃』を執筆したことや、アメリカ大陸を探検したアメリゴ・ヴェスプッチの著作に刺激を受け、『ユートピア』を執筆した。翌1517年、マルティン・ルターが95ヶ条の論題を発表するが、モアはカトリック教会による平和主義と社会正義を求めた。