西暦1775年 - クーロンの法則の発見

電磁気力は逆二乗則にしたがう
シャルル・ド・クーロン
シャルル・ド・クーロン
フランスの物理学者シャルル・ド・クーロンは、1775年に、ねじり天秤を用いて電気力や磁気力が距離の2条に反比例して減少する(逆二乗則クーロンの法則を発見した。
これは、1687年にニュートンが発見した万有引力の法則逆二乗則だった。

なお、イギリスの物理学者ヘンリー・キャヴェンディッシュも1773年に電磁気力の逆二乗則を独自に発見していたようだが、寡黙で人間嫌いな性格であることが災いし、1870年に設立されたキャヴェンディッシュ研究所の初代所長ジェームズ・クラーク・マクスウェルによって1879年に発表されるまで、その事実は知られることがなかった。
ヘンリー・キャベンディッシュ
ヘンリー・キャベンディッシュ
1736年、シャルル・ド・クーロンは1736年フランス・アングレーム地方のの裕福な家庭に生まれた。少年時代に一家はパリに移住し、そこでルモニエの数学の授業に感銘を受け、数学の道に進むことを決意した。
1761年に陸軍士官学校を卒業し、イギリス沿岸の地形図作成のための測量に参加した。1764年、 マルティニーク島への転属し、ブルボン城塞の建設に従事した。この間に石造建築の耐久性や支持構造物の振る舞いに関する実験を行った。
ベンジャミン・フランクリン
ベンジャミン・フランクリン
この頃、電気の性質を解明する実験・発見が続いた。1752年にはアメリカのベンジャミン・フランクリンが雷の電気をライデン瓶に蓄えることに成功した。この実験に示唆を受けたイギリスの哲学者ジョゼフ・プリーストリーは、電気力には万有引力の法則と同じ逆二乗則が働くのではないかと予想した。
ジョゼフ・プリーストリー
ジョゼフ・プリーストリー
大尉として任地を転々としていたクーロンは、彼が発明したねじり天秤を用いて、荷電粒子間にはたらく力が電荷量の二乗に比例し、距離の二乗に反比例するというクーロンの法則を導きだし、すぐに磁気についても同様の法則が成り立つことを明らかにした。1785年に、これを3つの論文にして発表した。
クーロンの法則を数式で表すと次のようになる。
\[ \displaystyle F\ =\ k \ \frac{q_1 \ q_2}{r^2} \]
q1, q2は電荷量。rは粒子間の距離。kは比例定数(クーロン定数)。
同じ逆二乗則でも、万有引力は引力だけだが、クーロンの法則は引力と斥力の両方がある。

1781年にパリに赴任したクーロンは、1789年のフランス革命の勃発で軍を辞職し、隠遁生活に入るが、間もなく革命政府による新しい度量衡の制定のためパリに呼び戻された。1801年、フランス学士院会長。1802年、社会教育長官。1806年、パリにて死去。

参考書籍

表紙 宇宙を支配する「定数」
著者 臼田 孝
出版社 講談社
サイズ 新書
発売日 2022年02月17日頃
価格 1,100円(税込)
ISBN 9784065273296
万有引力の法則から相対性理論、量子力学まで、宇宙の成り立ちを説明する物理法則には、必ず「固有の値」=物理定数が登場する。物理定数とは何か?なぜ、一定の値をとるのか?その値はどう決まるのか?そして、本当に「一定不変」か?宇宙の誕生と進化を司る「究極の値」のすべてー。
 
1675 1725 1775 1825 1875 1700 1700 1700 1700 1700 1700 1700 1700 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1800 1775 クーロンの法則の発見 1736 1806 シャルル・ド・クーロン 1766 水素の発見 1731 1810 ヘンリー・キャヴェンディッシュ 1752 フランクリンの雷実験 1706 1790 ベンジャミン・フランクリン 1770 消しゴムの発明 1733 1804 ジョゼフ・プリーストリー 1800 ボルタが電池を発明 1745 1827 ボルタ 1774 質量保存の法則の発見 1743 1794 ラヴォアジェ 1736 1813 ラグランジュ 1756 1763 七年戦争 1789 1799 フランス革命 1758 1794 ロベスピエール 1754 1793 ルイ16世 1755 1793 マリー・アントワネット 1749 1791 オノーレ・ミラボー 1784 メシエ天体カタログ完成 1730 1817 シャルル・メシエ 1781 天王星の発見 1738 1822 ウィリアム・ハーシェル 1769 ワット式蒸気機関 1736 1819 ジェームズ・ワット 1723 1790 アダム・スミス 1783 熱気球の発明 1745 1799 ジャック・エティエンヌ・モンゴルフィエ 1740 1810 ジョセフ・ミシェル・モンゴルフィエ 1732 1809 ハイドン 1756 1791 モーツァルト 1762 「社会契約論」「エミール」が発禁に 1712 1778 ルソー 1771 「ブリタニカ百科事典」の完成 1717 1783 ジャン・ル・ロン・ダランベール 1724 1804 イマヌエル・カント 1737 1798 ガルバーニ 1738 1820 ジョージ3世 1712 1786 フリードリヒ2世 1717 1780 マリア・テレジア 1732 1789 ジョージ・ワシントン 1773 ボストン茶会事件 1776 アメリカ独立宣言 1775 1783 アメリカ独立戦争 1735 1826 ジョン・アダムズ 1743 1828 トーマス・ジェファーソン 1812 1814 米英戦争 1758 サンジェルマン伯爵が社交界デビュー 1691 1784 サンジェルマン伯爵 1700 1782 ベルヌーイ 1748 オイラーの公式 1707 1783 レオンハルト・オイラー 1759 大英博物館が開館 1741 1790 ヨーゼフ2世 1769 1771 クック船長が最初の太平洋探検へ 1796 種痘の実施 1749 1823 ジェンナー 1732 1789 ジョージ・ワシントン 1773 ボストン茶会事件 1776 アメリカ独立宣言 1775 1783 アメリカ独立戦争 1735 1826 ジョン・アダムズ 1743 1828 トーマス・ジェファーソン 1812 1814 米英戦争 1758 1819 カメハメハ1世 1795 ハワイ王国の建国 1774 解体新書 1733 1817 杉田玄白 1723 1803 前野良沢 1776 平賀源内によるエレキテルの実験 1728 1779 平賀源内 1730 1801 本居宣長 1716 1783 与謝蕪村 1753 1806 喜多川歌麿 1745 1818 伊能忠敬 1792 大黒屋光太夫がロシア女帝に謁見 1751 1823 大黒屋光太夫 1755 1829 鶴屋南北 1794 1795 東洲斎写楽の活動 1765 1831 十返舎一九 1760 1849 葛飾北斎 1767 1786 田沼時代 1719 1788 田沼意次 1782 1787 天明の大飢饉 1737 1786 徳川家治 1787 寛政の改革 1758 1829 松平定信 1745 1795 長谷川宣以 1711 1799 乾隆帝 1728 1762 ピョートル3世 1729 1796 エカチェリーナ2世 1703 1787 ムハンマド・イブン=アブドゥルワッハーブ 1753 1811 ミゲル・イダルゴ Tooltip
(この項おわり)
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