西暦1814年 - ウィーン会議

会議は踊る、されど開かれず
ウィーン会議の様子
1814年、ナポレオンがエルバ島に流されると、その領土の処理をめぐって90の王国、53の公国の代表が参加し、ウィーン会議と呼ばれる国際会議を開く。
しかし、総会は一向に開かれず、宴会や舞踏会に明け暮れる。オーストリアの将軍リーニュは「会議は踊る、されど開かれず」と皮肉った。
ウィーン体制
ナポレオンによって神聖ローマ皇帝を退位させられたフランツ2世は、初代オーストリア皇帝フランツ1世としてメッテルニヒを登用した。
ナポレオンがエルバ島を脱出し再び帝位に就くと、会議は一時中断された。最終的にナポレオンがセントヘレナに流されてから再び会議が再開され、メッテルニヒの主導のもと、1815年、ウィーン議定書が調印される。議定書により、ウィーン体制(上図)と呼ばれる国際秩序が生まれた。
フランツ1世は質素な生活を好み、晩年は国民からも親しみを込められて「善き皇帝フランツ」と称された。
ウィーンは繁栄を謳歌するが、それは一部の特権階層の話で、大多数の市民は半日を越える長時間労働が当然で、1842年に制定された児童保護法において、児童の労働時間が10~12時間に規制されるにとどまった。このような状況はヨーロッパ中で広くみられ、ここから社会主義思想が生まれてマルクスとエンゲルスが共産主義を唱えるようになるが、これらの思潮はハプスブルク君主国にも流入し、政府は神経を尖らせた。

勢力均衡によって大国間には平和がもたらされたが、反動的なウィーン体制は長くは続かなかった。各地で自由主義革命が勃発し、立憲主義への移行や新たな国民国家樹立の動きが生じる。
フランスでは1848年に二月革命が起き、ウィーン体制は崩壊する。
また、議定書によって誕生したオランダ立憲王国では南北の対立が続き、1830年にベルギー王国が独立することになる。

この時代の世界

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(この項おわり)
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