西暦1848年 - 二月革命

フランス第二共和制へ
オラース・ヴェルネ「スフロ通りのバリケード」
オラース・ヴェルネ「スフロ通りのバリケード」
フランスでは産業革命が進み、七月革命による政治に不満を持つ労働者が増えていった。
1848年2月、政府が普通選挙権を要求する改革宴会を中止させると、怒ったパリ市民が蜂起し市街戦となり、国王ルイ・フィリップは亡命し、市民が勝利する。これが二月革命である。
21歳以上の男性が投票権を持つ普通選挙制など1848年の憲法が制定され、フランスは第二共和制へ移行する。

国民の社会参加と選挙権

『共産党宣言』
『共産党宣言』
1845年、ジャガイモを枯らす胴枯れ病が蔓延し、ヨーロッパ中に飢饉が発生した。食糧価格が高騰する一方、産業革命による格差の拡大で、社会不安が増大していた。
フランスではサン=シモンが資本家と労働者は等しく産業階級であるとしてテクノクラシー(科学主義的専制支配)の父と呼ばれ、シャルル・フーリエは空想的社会主義を目指した。
1948年、マルクスとエンゲルスは『共産党宣言』を共同発行する。
ヨーロッパの人々は社会参加の必要性から、選挙権を求めるようになる。

二月革命の波及

ルイ・フィリップ
ルイ・フィリップ
1847年9月に首相になったギゾーが「選挙権が欲しければ金持ちになりたまえ」と発言したことが、かえって国民に奮起を促した。選挙法改正運動が強まり、集会が禁止されたために改革宴会という形で運動を続けた。
1848年2月の宴会禁止令をきっかけに暴動が起こり、二月革命に発展する。

二月革命は国外に波及し、ドイツとオーストリアで三月革命が起きる。ドイツの三月革命は失敗するが、オーストリアではメッテルニヒが失脚し、ウィーン体制が完全崩壊した。

第二帝政へ

ルイ・ナポレオン
ルイ・ナポレオン
当初、ブルジョワが支持する穏健共和派が主導権を握ったが、急進共和派や社会主義者との内部対立が始まった。4月の普通選挙で勝利した穏健共和派は、急進共和派や社会主義者を排除し、王党派が復活した。
これにより労働者保護政策である国立作業場が閉鎖され、6月暴動が起こった。暴動は鎮圧され、議会は王党派が結束した秩序党が主導権を握った。
11月の大統領選挙ではナポレオンの甥のルイ・ナポレオンが当選し、翌年クーデタで議会を解散させて権力を集中、1952年2月に第二帝政を開始し、ナポレオン3世となった。
結局、二月革命は王制を打倒したものの、フランス革命のときと同様、第二帝政を呼び寄せた。共和政は後退し、産業資本家と労働者階級の階級的対立を軸とする社会対立の時代へと移行していく。

この時代の世界

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(この項おわり)
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