
志筑忠雄『暦象新書』
長崎通詞の志筑忠雄は、イギリス人ジョン・ケールが1725年(享保10年)にニュートン力学を解説した "Introductiones ad Veram Physicam et veram Astronomiam" を翻訳し、『暦象新書』を著す。上編は1798年(寛政10年)6月、中編は1800年(寛政12年)10月、下編は1802年(享和2年)10月に完成し、ニュートン力学などが紹介された。
本木良永、司馬江漢、志筑忠雄

宣明暦

司馬江漢『天球図』
参考書籍
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江戸の宇宙論 | ||
著者 | 池内 了 | ||
出版社 | 集英社 | ||
サイズ | 新書 | ||
発売日 | 2022年03月17日頃 | ||
価格 | 1,034円(税込) | ||
ISBN | 9784087212068 | ||
今やノーベル物理学賞を得るに至った日本の天文学。そのルーツは江戸期の「天才たち」の功績にまで遡る。「重力」「遠心力」「真空」など現在でも残る数多の物理学用語を生み出した翻訳の達人・志筑忠雄。「無限の広がりを持つ宇宙」の姿を想像し、宇宙人の存在を予言した豪商の番頭・山片蟠桃。そして天才絵師でありながら天文学に熱中し、人々に地動説を紹介した司馬江漢。彼らはそれぞれ通詞(通訳)・商人・画家という本業を持ちながら、好奇心の赴くまま自由に宇宙を論じたのだった。本書は現代日本を代表する宇宙物理学者が、そうした江戸時代後期の在野の学者らによる破天荒な活躍を追いつつ、当時の宇宙論の先見性を再評価した一冊である。 | |||
この時代の世界
(この項おわり)