西暦1935年 - シュレーディンガーの猫

量子力学の興隆
シュレーディンガーの猫
物理学者のエルヴィン・シュレーディンガーは、量子力学の確率論的解釈の間違いを指摘するため、1935年の論文において「シュレーディンガーの猫」という思考実験を紹介した。
まず、蓋のある箱を用意する。箱の中には、放射性ラジウムとガイガーカウンター、それに青酸ガスの発生装置を入れておく。ラジウムがα崩壊を起こすと、青酸ガスの発生装置が作動し、青酸ガスが発生する仕組みになっている。
この箱に猫を1匹入れる。一定時間の間に、もしα崩壊が起きていれば猫は死ぬし、起きていなければ猫は生きている。
つまり、蓋を開けるまで、猫は死んでいる状態と生きている状態が混在しているというパラドックスが起きる。

シュレーディンガーは、1926年に発表した論文でシュレーディンガー方程式(波動関数)を発表している。ちょうどカルテットが弦楽器の音波を重ね合わせるように、量子は重ね合わせができることを示したのがシュレーディンガー方程式である。
シュレーディンガー方程式では確率を保存するが、それは、統計学のようなマクロ的な視点で扱う「確率」とは意味合いが異なる。
そこでシュレーディンガーは、シュレーディンガーの猫というパラドックスを紹介し、量子力学の確率論的解釈の間違いを指摘したのである。

シュレーディンガーは、1933年にイギリスの理論物理学者ポール・ディラックと共に「新形式の原子理論の発見」の業績によりノーベル物理学賞を受賞し、1937年にはマックス・プランク・メダルが授与された。

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参考書籍

表紙 「シュレーディンガーの猫」のパラドックスが解けた!
著者 古澤明
出版社 講談社
サイズ 新書
発売日 2012年09月
価格 864円(税込)
rakuten
ISBN 9784062577854
「シュレーディンガーの猫」は量子力学の黎明期に、波動方程式の解釈をめぐってシュレーディンガーが提案したパラドックスだ。ミクロな粒子の重ね合わせ状態を猫のようなマクロな物体の重ね合わせ状態として導けるのか?シュレーディンガーはマクロの世界では重ね合わせ状態をつくることかできないと考えた。それが今、「できる」という実験結果が示された。
 
(この項おわり)
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