西暦1928年 - ファシスト党の一党独裁/ペニシリンの発見

イタリアでムッソリーニが台頭/偶然の発見

ファシスト党による一党独裁

ムッソリーニ
ムッソリーニ
イタリア王国は第一次世界大戦の戦勝国であったにもかかわらず、「未回収のイタリア」(トリエステ、南チロルなど)を得ただけにとどまり、国内経済は疲弊していた。そんな中、1919年に結成されたムッソリーニファシスト党が台頭してきた。

ムッソリーニはストライキを鎮圧するなどして、中産階級・資本家、軍部、地主層などの支持を得ると、1922年、国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ3世から首班指名を受け、世界初のファシズム政権が誕生した。
ムッソリーニの演説
ムッソリーニは、翌1923年、ファシスト党に有利な新選挙法を制定すると、立て続けに新法を制定。1928年9月には、首相ムッソリーニを議長とするファシズム大評議会を正式に国政の最高機関とし、一党独裁体制を確立する。

ペニシリンの発見

アレクサンダー・フレミング
アレクサンダー・フレミング
イギリスのセント・メアリーズ病院で感染症治療の研究をしていたアレクサンダー・フレミングの研究室は、いつも散らかっていた。1928年夏、実験室を片付けていた彼は、たまたま、黄色ブトウ球菌を培養していたシャーレ(培地)に緑色のカビが増殖していることに気がついた。
カビの発生自体は珍しいことではないが、その周囲から細菌が消えていたのである。
フレミングは、このカビを培養し、それを濾過した液体を種々の細菌に作用させてみたところ、この液体には細菌を死滅させる効果があることを発見した。これが世界初の抗生物質「ペニシリン」である。

フレミングはペニシリンの生成に取り組むが、化学者でなかった彼は、ついに抽出ができなかった。
彼は、午後になるとチェルシー・アート・クラブで紅茶を楽しみ、仕事が終わるとビリヤードや、チェス、トランプに興じ、ビールを1杯飲んで帰宅するというお気楽な研究者であったと伝えられている。家族とともに夕食をとり、週末は郊外で過ごし、休暇も家族サービスに使ったという。
ペニシリンの発見はセレンディピティだったとも言われる。

それから10年の歳月が流れた1939年、オックスフォード大学のハワード・フローリーエルンスト・ボリス・チェーンが、カビの培養液からペニシリンを抽出することに成功した。折しも第二次世界大戦が始まり、彼らが生成したペニシリンは、多くの負傷兵や戦傷者の命を救った。
この功績により、1945年、フレミング、フローリー、チェーンは、ノーベル医学生学賞を共同受賞した。

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参考書籍

表紙 ムッソリーニ―ファシズム序説
著者 木村裕主
出版社 清水書院
サイズ 全集・双書
発売日 1996年03月
価格 935円(税込)
ISBN 9784389411305
「古代ローマの栄光」を夢みて、イタリアの若き日のベニート・ムッソリーニは「すべては国家の中にこそ存在する。人間も精神も国家を離れては存在しえない」とするファシズム全体主義を創始し、「ファシズムは実践である」と政治に乗り出す。その姿をドイツのアドルフ=ヒトラーは羨望の目で仰ぎ見ていた。やがて英米仏の先発資本主義国に追いつこうとするそのイタリアとともに、同じ後発資本主義国ドイツ、日本が手を結び、歴史は史上最大の第二次世界大戦へとつき進む。結果は日独伊の全体主義体制が英米仏などの民主主義体制に敗北する。だがその後も、ファシズム思想とその手法は、さまざまの姿や形を変えて生き続けている。いまここにムッソリーニが展開した政治過程をみることにより、我々はファシズムの何たるかを歴史に即して理解することができる。
 
表紙 ムッソリーニとファシズム
著者 ポール・ギショネ/長谷川公昭
出版社 白水社
サイズ 新書
発売日 1974年12月
価格 1,046円(税込)
ISBN 9784560055663
 
(この項おわり)
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