
PC-9801

PC-9801 メイン基板

N88-BASIC(86)
PC-9801シリーズは、BASICをベースにした時代の終盤から、MS-DOSを経て、Windowsの本格的な普及期まで約15年間にわたり多くのユーザーからの支持を受けた。

PC-9821 Ra43
こうした支持の背景には、NECが互換性にこだわり続けたことがあげられる。実際、1982年(昭和57年)の初代PC-9801に搭載されていたN88-BASICは、2003年(平成15年)9月に生産終了したPC-9821 Ra43でも利用することができた。

PC-100
2016年(平成28年)9月、独立行政法人国立科学博物館の産業技術史資料情報センターは、日本の産業技術の歴史を未来に役立てるため、世界的に見ても特筆すべき発明や開発品として、PC-9801やPC-100を重要科学技術史資料(未来技術遺産)に登録した。
PC-9801F

PC-9801F
1983年(昭和58年)10月発売。
価格は39万8000円。
CPUをμPD8086-2(8MHz)にパワーアップし、漢字ROM(JIS第一水準)とFDDを標準搭載し、VRAMを2倍にすることで画面をちらつかせることなくグラフィック描画を可能にした。同時に、多くのデジタル回路が12個のカスタムLSIに統合され、消費電力や製造コストを抑えることができた。
価格は39万8000円。
CPUをμPD8086-2(8MHz)にパワーアップし、漢字ROM(JIS第一水準)とFDDを標準搭載し、VRAMを2倍にすることで画面をちらつかせることなくグラフィック描画を可能にした。同時に、多くのデジタル回路が12個のカスタムLSIに統合され、消費電力や製造コストを抑えることができた。
PC-9801M

PC-9801M
1984年(昭和59年)11月発売。
価格41万5000円。
容量1.2Mバイトの5インチ2HDドライブを内蔵し、日本語変換辞書ファイルだけでフロッピーがいっぱいになるということがなくなった。メモリを256Kバイトに増強した。
価格41万5000円。
容量1.2Mバイトの5インチ2HDドライブを内蔵し、日本語変換辞書ファイルだけでフロッピーがいっぱいになるということがなくなった。メモリを256Kバイトに増強した。
PC-9801U

PC-9801U
1985年(昭和60年)5月発売。
価格29万8000円。
はじめて3.5インチFDDを搭載し、CPUにNECが開発した8086の上位互換高速CPU V30を搭載した。
価格29万8000円。
はじめて3.5インチFDDを搭載し、CPUにNECが開発した8086の上位互換高速CPU V30を搭載した。
PC-98XA

PC-98XA
1985年(昭和60年)5月発売。
価格57万5000円。
CPUに初めて80286(8MHz)を搭載し、当時最高水準となるハイレゾ表示(1120x750ドット)を誇ったが、PC-9801のノーマル表示(640×400ドット)を備えていないため、ソフトウェアや周辺機器の互換性がなかった。
価格57万5000円。
CPUに初めて80286(8MHz)を搭載し、当時最高水準となるハイレゾ表示(1120x750ドット)を誇ったが、PC-9801のノーマル表示(640×400ドット)を備えていないため、ソフトウェアや周辺機器の互換性がなかった。
PC-9801VM

PC-9801VM
1985年(昭和60年)7月発売。
価格41万5000円。
CPUにV30(10MHz)、RAMは384Kバイトを搭載。また、グラフィック専用LSI「GRCG」を搭載し、オプションで16色表示、または4096色から任意の8色を選択できるよう強化され、描画速度も高速化した。
1年間で約21台を出荷し、PC-9800シリーズの黄金時代を開いた。
価格41万5000円。
CPUにV30(10MHz)、RAMは384Kバイトを搭載。また、グラフィック専用LSI「GRCG」を搭載し、オプションで16色表示、または4096色から任意の8色を選択できるよう強化され、描画速度も高速化した。
1年間で約21台を出荷し、PC-9800シリーズの黄金時代を開いた。
PC-9801VX

PC-9801VX
1986年(昭和61年)10月発売。
価格43万3000円。
CPUに 80286](8MHz)とV30(10MHz)の2つを搭載し互換性を維持しつつ、電源投入時にスイッチで切り替えるようにした。RAMは640Kバイトを標準装備し、4.6Mバイトまで拡張可能。GRCG上位互換のEGCを搭載し、描画速度を高速化した。

1987年(昭和62年)3月にセイコーエプソンがPC-9800互換パソコンを発売し、著作権をめぐる法廷闘争に発展する。
価格43万3000円。
CPUに 80286](8MHz)とV30(10MHz)の2つを搭載し互換性を維持しつつ、電源投入時にスイッチで切り替えるようにした。RAMは640Kバイトを標準装備し、4.6Mバイトまで拡張可能。GRCG上位互換のEGCを搭載し、描画速度を高速化した。

1987年(昭和62年)3月にセイコーエプソンがPC-9800互換パソコンを発売し、著作権をめぐる法廷闘争に発展する。
PC-98LT

PC-98LT
1986年(昭和61年)10月発売。
価格23万3000円。
PC-9800シリーズと完全互換ではないものの、NECが発売した最初のラップトップPC。表示はモノクロで、RAMは640Kバイトを標準装備。
価格23万3000円。
PC-9800シリーズと完全互換ではないものの、NECが発売した最初のラップトップPC。表示はモノクロで、RAMは640Kバイトを標準装備。
PC-98XL

PC-98XL
PC-9801RA

PC-9801RA
1988年(昭和63年)7月発売。
価格49万8000円。
CPUに32ビットCPUである80386DX(16MHz)とV30(8MHz)の2つを搭載し互換性を維持しつつ、電源投入時にスイッチで切り替えるようにした。RAMは1.6Mバイトを標準装備し、12.6Mバイトまで拡張可能。640×400ドット(16色2画面)という解像度は維持し、MS-DOSが標準となっていた。
価格49万8000円。
CPUに32ビットCPUである80386DX(16MHz)とV30(8MHz)の2つを搭載し互換性を維持しつつ、電源投入時にスイッチで切り替えるようにした。RAMは1.6Mバイトを標準装備し、12.6Mバイトまで拡張可能。640×400ドット(16色2画面)という解像度は維持し、MS-DOSが標準となっていた。
PC-9801DA

PC-9801DA
1990年(平成2年)10月発売。
価格44万8000円。
PC-9801RA の後継機で、FM音源やマウスを標準搭載することで、ホビーユース向け市場を開拓した。
モデルチェンジの都度、CPU等の性能は徐々に引き上げられていったが、98アーキテクチャに変更はなかった。
価格44万8000円。
PC-9801RA の後継機で、FM音源やマウスを標準搭載することで、ホビーユース向け市場を開拓した。
モデルチェンジの都度、CPU等の性能は徐々に引き上げられていったが、98アーキテクチャに変更はなかった。
PC-9801BX

PC-9801BX
1993年(平成5年)1月発売。
価格21万8000円。
Windowsの普及と安価なPC/AT互換機(DOS/V機)に対抗するため、CPUに 486SXを搭載することでコストを抑えたシリーズ。
1995年(平成7年)1月に発売されたPC-9801BX3 では、初めて10万円を切る価格となった。7月に発売された PC-9801BX4 は、9801型番の最終モデルとなった。PC-9821Xe10 と共通部品を使っており、PC-9821相当の性能を持つ。
価格21万8000円。
Windowsの普及と安価なPC/AT互換機(DOS/V機)に対抗するため、CPUに 486SXを搭載することでコストを抑えたシリーズ。
1995年(平成7年)1月に発売されたPC-9801BX3 では、初めて10万円を切る価格となった。7月に発売された PC-9801BX4 は、9801型番の最終モデルとなった。PC-9821Xe10 と共通部品を使っており、PC-9821相当の性能を持つ。
この時代の世界
参考書籍
![]() |
僕らのパソコン30年史 | ||
著者 | SE編集部 | ||
出版社 | 翔泳社 | ||
サイズ | 単行本 | ||
発売日 | 2010年05月 | ||
価格 | 1,980円(税込) | ||
ISBN | 9784798121895 | ||
30年以上を通して変化したパソコンを、写真を多用し世相にも触れながら、わかりやすく解説。第1部を年代ごとのトピックの解説にあて、当時の開発者や関係者への「証言(ターニングポイント)」を盛り込み、開発秘話などを明かしてもらう。第2部ではPCアーキテクチャ、OS、パソコンの聖地アキハバラ、「雑誌」の変遷など、テーマごとにまとめた。 | |||
参考サイト
- NEC「PC-9800シリーズ」ついに受注打ち切り:ITmedia,2003年8月7日
(この項おわり)
1980年代、PC-9801シリーズは多くのユーザーからの支持を受け、国民機と呼ばれるようになる。全盛期には日本国内のパソコンの90%以上を占めていた。累計出荷台数は1830万台。