『宇宙大作戦』放映開始

エンタープライズ号乗組員

U.S.S.エンタープライズ号
放映当初は視聴率が伸び悩み、1969年6月3日、第3シーズン(全79話)で打ち切られた。しかし、再放送が始まるとアメリカ各地でファンを獲得し、1979年に劇場版映画が公開されることになる。私が一番気に入っているのは『スター・トレックIV 故郷への長い道』(1986年公開)だ。
テレビ・シリーズ
宇宙、それは人類に残された最後の開拓地である。そこには人類の想像を絶する新しい文明、新しい生命が待ち受けているに違いない。これは人類最初の試みとして5年間の調査飛行に飛び立った、宇宙船U.S.S.エンタープライズ号の驚異に満ちた物語である。
毎回、ジェームズ・T・カーク船長を演じるウィリアム・シャトナーのナレーションで始まる。日本語吹き替えは矢島正明だ。それまでのSF作品と異なり、人間ドラマの要素が強く、乗組員も多種多様だ。
メイナード・ファーガソンの演奏によるテーマ曲は、後に『アメリカ横断ウルトラクイズ』(日本テレビ)に使用された。
メイナード・ファーガソンの演奏によるテーマ曲は、後に『アメリカ横断ウルトラクイズ』(日本テレビ)に使用された。

スター・トレックIV 故郷への長い道
宇宙人(バルカン人)とのハーフのスポック副長、船医のレナード・マッコイ、スコットランド人で機関主任のモンゴメリー・スコット、黒人女性のウフーラ通信士、アジア人でパイロットのヒカル・スールー、ロシア人でパイロットのパヴェル・チェコフら――原語は英語だが、それぞれの訛りがあって面白い。

ジュニア版世界のSF『宇宙大作戦』
国外ではベトナム戦争が始まり、国内では公民権運動が盛んになっていた時代、アメリカの理想と夢を託した番組として人気が出たのも頷ける。
原案・制作は、第二次世界大戦で爆撃機のパイロットを務めたジーン・ロッデンベリー。SF作家のジェイムズ・ブリッシュがノベライズを担当し、日本では早川書房から刊行された。その後の文庫本を含めた表紙/挿絵を担当したのは金森達さんだ。
原案・制作は、第二次世界大戦で爆撃機のパイロットを務めたジーン・ロッデンベリー。SF作家のジェイムズ・ブリッシュがノベライズを担当し、日本では早川書房から刊行された。その後の文庫本を含めた表紙/挿絵を担当したのは金森達さんだ。

ミスター・スポック
バルカン式の挨拶「長寿と繁栄を」(Live long and prosper)は、中指と薬指の間と親指を開いて相手に掌を見せる仕草を伴うが、Unicodeの絵文字 🖖(U+1F596)として実装されている。

クリンゴン語
スコット機関主任を演じるジェームズ・ドゥーアンは、劇場版のために、惑星連邦と対立する好戦的なクリンゴン帝国の公用語「クリンゴン語」を考案した。その後、言語学者のマーク・オークランドが完成度の高い人工言語に発展させた。Microsoft Bingの翻訳サービスではクリンゴン語に翻訳することができる。

ゲーム「スター・トレック
1970年代に入ると、熱心なファン(トレッキー)により、ミニコン上でシミュレーションゲームが作られた。コマンド入力方式のシミュレーションゲームで、1976年には東京大学大型計算機センターに移植され、TSS端末を通して遊ぶことができた。プログラム電卓やパソコンへの移植も行われた。

ウフーラ通信士
宇宙開発者にもトレッキーが多く、スペースシャトルの1号機にはエンタープライズの名前が付けられた。ウフーラ通信士を演じたニシェル・ニコルズは、1977年から2015年まで、ボランティアでNASAの広報や宇宙飛行士の募集を行い、最初のアメリカ人女性宇宙飛行士のサリー・ライドや、初のアフリカ系アメリカ人宇宙飛行士となるギオン・ブラフォードなどが選ばれた。
劇場版「スター・トレック」

劇場版「スター・トレック」
1973年9月からNBC系列で『まんが宇宙大作戦』が放映された(全22話)。
実写での制作の声は日増しに高まり、『未知との遭遇』『スター・ウォーズ』がヒットしたことによってSF映画の予算が獲得しやすくなったこともあり、100億円の巨費を投じ、ロバート・ワイズを監督に迎えた劇場版『スター・トレック』が1979年12月に公開される(日本公開は1980年7月月)。日本語で「スター・トレック」の呼び名が付いたのは、この時からである。
劇場版は、1991年の『スター・トレックVI 未知の世界』までほぼ2年おきに公開された。
実写での制作の声は日増しに高まり、『未知との遭遇』『スター・ウォーズ』がヒットしたことによってSF映画の予算が獲得しやすくなったこともあり、100億円の巨費を投じ、ロバート・ワイズを監督に迎えた劇場版『スター・トレック』が1979年12月に公開される(日本公開は1980年7月月)。日本語で「スター・トレック」の呼び名が付いたのは、この時からである。
劇場版は、1991年の『スター・トレックVI 未知の世界』までほぼ2年おきに公開された。
新スター・トレック以降

新スター・トレック
一方、乗組員を一新し、100年後の世界を舞台にした『新スター・トレック』のテレビ放映が1987年に始まる。1994年5月まで7シーズン全176話が放映された。

スタートレック:ディスカバリー
1993年1月から『スター・トレック:ディープ・スペース・ナイン』(全173話)、1995年1月から『スター・トレック:ヴォイジャー』(全168話)、2001年9月から『スター・トレック:エンタープライズ』(全97話)と、ほぼ切れ目なくテレビ・ドラマの放映が続いている。
この時代の世界
(この項おわり)
23世紀、人類は銀河系宇宙に進出した人類は複数の宇宙人と惑星連邦を形成しており、宇宙探査や防衛などを担う連邦宇宙艦隊があった。このドラマは、連邦宇宙艦隊の最新鋭艦U.S.S.エンタープライズ号の宇宙探査の物語である。