西暦1839年 - 蛮社の獄

蘭学を弾圧
江戸後期、蘭学 (らんがく) が隆盛する。当時、尚歯会 (しょうしかい) という蘭学の研究グループを開いていた渡辺崋山 (わたなべかざん) がリーダー格であったが、旧来の国学者たちは蔑みの意味を込めて「蛮社 (ばんしゃ) 」と呼ばれていた。

当時の幕府は儒学の中でも朱子学のみを正統な学問としており、林羅山 (はやしらざん) からはじまる林家の流れをくむ幕臣の鳥居耀蔵 (とりいようぞう) が暗躍し、蘭学を厳しく取り締まった。これが「蛮社の獄 (ばんしゃのごく) 」である。
渡辺崋山は藩主に迷惑がかかることを恐れ自害した。
また、シーボルト鳴滝塾 (なるたきじゅく) で蘭学を学んだ高野長英 (こうのちょうえい) も、崋山とともに尚歯会に参加しており、蛮社の獄を逃れ逃亡生活を送るが、6年後に捕らえられそうになり自害した。

1841年(天保11年)、鳥居耀蔵は江戸南町奉行となり、天保の改革を断行するために豪腕をふるう。
同じ頃に北町奉行を務めていたのが名奉行、遠山金四郎 (とおやまきんしろう) (景元)である。遠山は改革に批判的であったために、鳥居や老中、水野忠邦 (みずのただくに) によって失脚させられてしまう。
一方、鳥居も水野と衝突するようになり、職を解かれ、1845年(天保15年)、讃岐国丸亀藩に軟禁される。

この時代の世界

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参考書籍

表紙 「蛮社の獄」のすべて
著者 田中弘之
出版社 吉川弘文館
サイズ 単行本
発売日 2011年07月
価格 4,104円(税込)
rakuten
ISBN 9784642080590
幕末前夜、高野長英や渡辺崋山らが弾圧された「蛮社の獄」。しかし、幕府の目付鳥居耀蔵は、崋山とは無関係な無人島渡海事件を重視するなど、多くの謎が存在する。奉行所での取り調べにも注目し、事件の真相に迫る。
 
(この項おわり)
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