西暦1867年 - 「資本論」の出版

科学的社会主義のはじまり
カール・マルクス
カール・マルクス
ドイツの経済学者カール・マルクスは、1867年、「資本論」第1部を出版する。つづいて、1885年に第2部が、1894年に第3部が出版された。

第1部はマルクス自身によって出版されたが、第2部と第3部はマルクスの死後、フリードリヒ・エンゲルスがマルクスの遺稿を整理して出版したものである。
フリードリヒ・エンゲルス
フリードリヒ・エンゲルス
1814年、ウィーン会議が行われ、ナポレオン戦争が終結。1825年には世界初の鉄道路線が開通し、ウィーン体制の下、産業革命の時代に入った。人口が急増し、ヨーロッパの主要都市は繁栄を謳歌する。

だが、それは一部の特権階層の話で、大多数の市民は半日を越える長時間労働が当然で、1842年に制定された児童保護法において、児童の労働時間が10~12時間に規制されるにとどまった。
共産党宣言
共産党宣言
1843年から亡命先のフランスで経済学の研究を進めていたマルクスは、1848年にエンゲルスと共同で『共産党宣言』を発刊する。フランスの二月革命をはじめとして、ヨーロッパ全土でウィーン体制への反動が起きた年である。

マルクスは弁証法的唯物論を基礎に、古典派経済学とフランス社会主義思想とを批判的にとらえていた。そして資本主義が近代社会に特有の生産様式ととらえ、その理論的解明を通じて科学的社会主義の経済学体系を確立、「資本論」を著したとされている。
チャールズ・ダーウィン(1869年)
チャールズ・ダーウィン(1869年)
1859年にチャールズ・ダーウィンは『種の起源』を出版したが、マルクスはダーウィン進化論の最初の理解者であった。マルクスは、『資本論』をダーウィンに献本した。
1883年に執り行われたマルクスの葬儀では、エンゲルスが「自然界ではダーウィンが生物進化の法則を発見したように、マルクスは人類史における進化の法則を発見した」と弔辞を述べた。この前年にダーウィンは他界していたが、間もなく、2つの思想が世界を席巻する20世紀が幕を開けることになる。
資本論
資本論
マルクス自身はプルジョワジーの家に生まれたが、ほとんど働かなかったので収入がなく、資本家のエングルスに頼って生活していた。
亡命中は、貴族の娘で美人の妻に支えられて生活していた。
貧困のせいで、7人の子供のうち、成人したのは3人。マルクスはさらに召使いにも子供を産ませており、エングルスがこっそり引き取ったという。

この時代の世界

1775 1825 1875 1925 1867 「資本論」の出版 1818 1883 マルクス 1820 1895 エンゲルス 1859 「種の起源」の出版 1809 1882 チャールズ・ダーウィン 1865 メンデルの法則 1822 1884 メンデル 1848 二月革命 1848 1849 フランクフルト国民議会 1866 ダイナマイトの発明 1833 1896 ノーベル 1845 1923 レントゲン 1895 X線の発見 1860 「ロウソクの科学」講演 1791 1867 ファラデー 1846 海王星の発見 1811 1877 ユルバン・ルヴェリエ 1851 ロンドン万博 1860 全英オープンゴルフはじまる 1804 1881 ディズレーリ 1854 1856 クリミア戦争 1808 1873 ナポレオン3世 1871 ドイツ帝国の成立 1810 1861 カヴール 1807 1882 ガリバルディ 1861 イタリア王国の成立 1862 「レ・ミゼラブル」の出版 1852 ナポレオン3世が即位 1859 統計学者ナイチンゲール 1831 1888 フリードリヒ3世 1866 普墺戦争 1871 レイリー散乱の発見 1842 1919 レイリー卿 1870 1871 普仏戦争 1874 マクスウェルの悪魔 1876 電話の発明 1804 1878 ハリス 1861 1865 南北戦争 1809 1865 リンカーン 1807 1870 リー将軍 1846 1848 アメリカ・メキシコ戦争 1822 1885 グラント将軍 1843 1901 マッキンリー 1875 神智学協会の設立 1876 電話の発明 1866 薩長同盟 1835 1867 坂本龍馬 1827 1877 西郷隆盛 1830 1878 大久保利通 1833 1877 木戸孝允 1864 池田屋事件 1865 亀山社中 1864 高杉晋作の決起 1839 1867 高杉晋作 1830 1859 吉田松陰 1843 1890 新島襄 1834 1885 岩崎弥太郎 1864 第一次長州征伐 1866 第二次長州征伐 1841 1909 伊藤博文 1862 生麦事件 1817 1887 島津久光 1860 桜田門外の変 1815 1860 井伊直弼 1853 ペリー来航 1859 安政の大獄 1834 1868 近藤勇 1835 1869 土方歳三 1825 1883 岩倉具視 1842 1868 沖田総司 1836 1883 天璋院 1846 1866 徳川家茂 1846 1877 和宮 1867 大政奉還 1877 西南戦争 1831 1866 孝明天皇 1852 1912 明治天皇 1849 1914 昭憲皇太后 1869 日本初の電信線架設工事始まる 1868 1869 戊辰戦争 1850 1864 太平天国の乱 1814 1864 洪秀全 1856 1875 同治帝 1856 1860 アロー戦争 1840 1842 アヘン戦争 1854 1856 クリミア戦争 1818 1881 アレクサンドル2世 1861 農奴解放令 1839 1881 ムソルグスキー 1840 1893 チャイコフスキー 1869 周期表の提案 1877 1878 露土戦争 1857 1859 セポイの乱 1869 スエズ運河開通 1848 1849 フランクフルト国民議会 1842 1918 アブデュルハミト2世 1863 1914 フランツ・フェルディナント 1846 1848 アメリカ・メキシコ戦争 Tooltip
(この項おわり)
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