西暦1864年 - 高杉晋作の決起

長州保守派を掃討
高杉晋作
1864年(元治元年)12月15日、高杉晋作 (たかすぎしんさく) は攻山寺で挙兵し、これに奇兵隊 (きへいたい) などが加わり、長州藩の保守派を掃討する。

長州藩の上級武士の家に生まれた晋作は、1857年(安政3年)、吉田松陰 (よしだしょういん) が主宰していた松下村塾 (しょうかそんじゅく) に入り、1858年(安政4年)には藩命で江戸へ遊学する。

1862年(文久2年)5月、長州藩の命令で幕府使節随行員として長崎から中国の上海へ渡航する。清が欧米の植民地となりつつある実情や、太平天国の乱を見聞して7月に帰国。
1863年(文久3年)6月7日、高杉晋作は奇兵隊を編成し、総督になった。外国艦の脅威に晒されていた下関の防衛に当たった。
奇兵隊の半数は農民や町人からなる混成部隊だった。「奇兵」とは正規の武士を意味する「正規兵」の反対語である。

1863年(文久3年)8月16日、奇兵隊士が武士を斬りつけるという事件が発生。高杉は逃亡するが、1864年(文久4年)3月9日、脱藩の罪で牢に入れられる。

8月5日、下関が外国船の砲撃を受けた。高杉は牢から出され、停戦交渉に当たった。
講和の成立後、幕府の長州征伐の動きを察知した高杉は、福岡へ身を隠す。

そして12月15日、下関の攻山寺で挙兵しクーデターを起こす。
高杉の後を受けて奇兵隊を率いていた山県有朋 (やまがたありとも) は当初、決起に呼応しなかったが、伊藤博文 (いとうひろぶみ) が80人の手勢を率いて参加した。
クーデターの最中、長州藩が奇兵隊に武装解除を求めたことから、山県有朋も決起に参加せざるを得なくなった。
こうしてクーデター軍はどんどん膨れあがり、1865年(元治2年)1月、ついに長州藩の保守派を打ち破る。
目的を達した高杉は、1865年(元治2年)3月20日、留学を志し、長崎へ向かう。しかし、幕府による第2次長州征伐が始まったため、留学を取りやめ、長州へ戻って戦うことになった。

第2次長州征伐では、幕府は15万の軍勢を長州に送り込んだ。このうち、激戦が予想される関門海峡の小倉城に5万の幕府軍が配置された。一方の高杉軍は1千に過ぎなかった。
晋作は奇襲作戦を繰り返し、田野浦にあった幕府上陸用の船を焼き払った。
戦争中の1865年(慶応元年)7月28日、将軍・徳川家茂 (とくがわいえもち) が死去。幕府軍の士気は低下する。8月1日、幕府軍は小倉城に火を付けて敗走。
戦闘の最中に結核が悪化した晋作は、7ヶ月後の1867年(慶応3年)4月14日に死去。享年29歳。

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参考書籍

表紙 高杉晋作 維新前夜の群像1
著者 奈良本辰也
出版社 中央公論新社
サイズ 新書
発売日 1986年06月
価格 712円(税込)
rakuten
ISBN 9784121000606
 

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  • JR下関駅からサンデン交通バス長府行きで23分、「城下町長府」下車、徒歩10分

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(この項おわり)
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