西暦1853年 - ペリー来航

黒船あらわる

人はいつ見た (1853) 黒い船

ペリー
1853年(嘉永6年)6月3日、アメリカ東インド艦隊司令官ペリーが4隻の軍艦(黒船)を率いて浦賀にやって来る。

ペリーは日本に開国を求めるアメリカ大統領フィルモアの国書を持っており、軍艦の大砲を陸地へ向け、脅した。パニックとなった江戸の町を見て、老中首座の阿部正弘 (あべまさひろ) はやむを得ず国書を受け取り、1年後に回答することを約束した。
1840年(天保10年)、イギリスがアヘン戦争で清に勝利するなど、西欧列強はアジアへ進出していた。
この流れに乗り遅れたアメリカは、太平洋航路を活かしてアジアへ進出することを決断する。1851年(嘉永4年)5月、合衆国議会は日本遠征を決議し、ペリーは東インド艦隊司令官に任命された。
ペリーは日本を研究するためにシーボルトの著書を読み、助言を受けた。

1852年(嘉永5年)10月7日、アメリカに先駆けて、ロシア帝国のプチャーチンが率いる日本遠征隊が出発した。
11月24日、ペリーはミシシッピ号1隻でバージニア州ノーフォーク港を出港。途中、香港や上海で3隻の軍艦と合流し、浦賀へ向かった。
1854年(嘉永7年)2月13日、ペリーが再来する。幕府は回答の先延ばしを図るが、ペリー艦隊は江戸湾深くに入り、江戸城へ大砲を向けた。
3月3日、ついに幕府は日米和親条約を結び、下田と函館を開港し、アメリカ船に対して水や食糧の補給をすることを約束した。これに続き、イギリス、ロシア、オランダなどとも同様の条約を結ぶ。

1855年(嘉永8年)、ペリーが3年の遠征を終えて帰国した時、アメリカが南北戦争前夜の激動の中にあった。
日米和親条約にもとづき、1856年(安政2年)7月、ハリスが乗ったアメリカ船が伊豆半島の下田港にあらわれる。
1857年(安政3年)10月21日、ハリスは第13代将軍・徳川家定 (とくがわいえさだ) に謁見する。
阿部正弘から老中首座を譲られた海外通の堀田正睦 (ほったまさよし) は、ハリスの提案内容を詳細に分析し、日本の不利にならないように交渉を進めた。
1858年(安政4年)2月5日、堀田は勅許を得るために京都へ上るが、孝明天皇 (こうめいてんのう) はこれを拒絶した。堀田は引責辞任し、代わりに井伊直弼 (いいなおすけ) が大老に就任した。
清を制圧したイギリスとフランスが40隻の大艦隊を率いて日本へ向かっているという情報を入手したハリスは、条約調印を迫った。
6月19日、井伊は勅許を得ずに日米修好通商条約を結び、日本とアメリカの間で交易が行われることになり、200年あまり続いた鎖国が終わる。
その後、イギリスやロシアなどとも同様の条約を結ぶが、これらは外国人の治外法権を認めたり、関税の自主権を持たないなど、日本にとって不利な条約であった。
日本は大幅な輸入超過となり、金銀などが海外へ流出し、人々の生活は混乱した。
この不平等条約が解消されるまでに半世紀を要することになる。

1860年(安政6年)1月13日、日米修好通商条約の正式文書を交換するため、日本の使節がアメリカへ向かった。そのうちの1隻が、勝海舟 (かつかいしゅう) が率いる木造船「咸臨丸 (かんりんまる) 」であった。通訳の中浜万次郎 (なかはままんじろう) (ジョン万次郎)や、福沢諭吉 (ふくざわゆきち) が乗船していた。
咸臨丸は37日かけて太平洋を渡りきり、2月26日、無事にサンフランシスコに到着した。

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参考書籍

表紙 福翁自伝
著者 福沢諭吉/土橋俊一
出版社 講談社
サイズ 文庫
発売日 2010年02月10日
価格 1,360円(税込)
rakuten
ISBN 9784062919821
「本当の開国…コリャ面白い」幕末・維新の激動期を「自由自在に運動」した痛快無類の人生を存分に語り尽くす。
 
表紙 咸臨丸海を渡る
著者 土居良三
出版社 未来社
サイズ 単行本
発売日 1992年11月
価格 4,860円(税込)
rakuten
ISBN 9784624111410
咸臨丸に搭乗、初めてアメリカに渡った若き軍艦奉行・木村摂津守、その従者長尾幸作とその親友福沢諭吉。未公刊の航海日誌によって知る勝麟太郎の苦辛、アメリカ海軍大尉ブルックとジョン万次郎の友情、異郷に客死した3人の水夫たちー。咸臨丸渡航の実態とドラマを一次史料にもとづきいきいきと再現。
 
この項つづく
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