西暦1876年 - 電話の発明

蓄音機、マイクの発明が続く
グラハム・ベル自ら電話機で話す様子
アレクサンダー・グラハム・ベルは、電信機の故障を修理しているとき、音が電線を伝わることに気づいた。そこで電話機の開発に着手し、1876年(明治9年)2月14日午前11時頃、特許明細書を提出した。
同じ日の午後1時頃、イライシャ・グレイが予告記載書を提出したが、米国特許法は出願申請の日付ではなく発明成立の日付が早いほうに特許が与えられるため、1876年(明治9年)3月7日に米国特許174465号としてグラハム・ベルが特許を取得した。
1876年(明治9年)3月に行われた最初の公開実験で、ベルは隣室にいる助手に「ワトソン君、用事がある、ちょっと来てくれたまえ」と話した。翌1877年(明治10年)には電話機を日本へ輸出している。

ベル自身は電話ビジネスに興味がなかったようだ。
当時アメリカ最大の電信会社だったウェスタン・ユニオン社へ電話の特許を売却しようとしたが、同社は提案を一蹴。やむなく1877年(明治10年)にベル電話会社を設立。今日のAT&T社である。
もともとベルは人工鼓膜の研究をしていた大学教授で、電話ビジネスの成功の後も、耳の不自由な人の教育に熱心に取り組んだ。彼の母親は難聴であり、妻のメイベルも猩紅熱の後遺症で難聴であったことが背景にあるようだ。
アン・サリヴァンをヘレン・ケラーの家庭教師として紹介したのもベルだった。

1882年(明治15年)には科学雑誌「サイエンス」(SCIENTIFIC AMERICAN)を創刊し、1896年(明治29年)からはナショナルジオグラフィック協会の会長を務めた。
円筒式蓄音機
ベルより優れた電話機を開発してほしいという注文が、アメリカの発明家エジソンのもとにあった。依頼を受けたエジソンは、板に針を取り付けることで声が記録できることに気づいた。
そして、円筒に鈴箔を巻いた巻いたものに針で記録するフォノグラフ(蓄音機)を1877年(明治10年)に発表する。

フォノグラフの原理自体は、1857年(安政3年)にレオン・スコットが発明していたが、再生機がなかったために普及しなかった。
エジソンのライバルであったエミール・ベルリナーは、1877年(明治10年)、円盤形の蓄音機を発表する。後のレコードの原型となる。
電話機に欠かせないのがマイクロホンである。
1878年(明治11年)、イギリスのエドワード・ヒューズカーボンマイクを発明した。

こうした技術開発を受け、1877年(明治10年)に設立したベル電話会社が、電話による通信網を築き始める。最初の加入者はたった600台だったが、3年後には6万台、10年後には20万台に急増した。

この時代の世界

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参考書籍

表紙 誰が本当の発明者か
著者 志村幸雄
出版社 講談社
サイズ 新書
発売日 2006年08月
価格 1,015円(税込)
rakuten
ISBN 9784062575256
エジソンは白熱電球の25番目の発明者!?ワットは単なる改良家!?アークライトは発明の盗人!?技術開発史を彩る発明者たちの本家争い。
 
表紙 面白いほどよくわかる発明の世界史
著者 中本繁実
出版社 日本文芸社
サイズ 単行本
発売日 2008年06月
価格 1,512円(税込)
rakuten
ISBN 9784537256000
 
表紙 写真で見る発明の歴史
著者
出版社 あすなろ書房
サイズ 全集・双書
発売日 2008年04月
価格 2,700円(税込)
rakuten
ISBN 9784751524565
世界を変えた大発明が、この1冊に!時計、電話、電気…今では暮らしにかかせないこれらのものは、どのようにして生み出されたのか?その経緯をわかりやすく紹介します。意外やエピソードが満載。
 
(この項おわり)
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