西暦1970年 - 三島由紀夫が割腹自殺

クーデターを企てるも失敗
クーデターを訴える三島由紀夫
1970年(昭和45年)11月25日、作家の三島由紀夫(本名・平岡公威 (ひらおかきみたけ) )は、自らが組織した民兵・盾の会 (たてのかい) のメンバーと自衛隊市ヶ谷駐屯地(現:防衛省本庁)に乗り込み、クーデーターを促すが失敗。割腹自殺を遂げた。享年45歳。

代表作は『仮面の告白』『金閣寺』『豊饒の海』『サド侯爵夫人』『わが友ヒットラー』、など。
将来病弱だった三島は、学習院中等科に入学するまで祖母の夏子と同居しており、祖母の影響を強く受けた。作家の永井荷風 (ながいかふう) と祖母・夏子の実家の永井家は同族にあたる。

1946年(昭和21年)、三島は鎌倉に住んでいた小説家・川端康成 (かわばたやすなり) の元を訪ね、短編小説の原稿を渡す。これが文壇への足がかりとなり、以来、川端とは生涯にわたる師弟関係となった。

1947年(昭和22年)11月、東京大学法学部を卒業し日本勧業銀行の入行試験を受験したが、健康上の問題で不採用となる。高等文官試験には合格し、大蔵省事務官に任官される。だが、翌年には大蔵省を退職し、創作に専念することになる。
1949年(昭和24年)、同性愛を扱った長編小説『仮面の告白』を出版。センセーションを呼ぶと共に、文壇では高い評価を得て作家の地位を確立した。
1951年(昭和26年)12月から翌年8月まで、朝日新聞特別通信員として世界一周旅行へ出掛けた。帰国後、病弱な身体を鍛えるためボディビルを始める。その後、剣道や夢想神伝流の居合を取り入れ、その鍛え上げられた肉体を世間に披露した。

1965年(昭和40年)には、自ら主演・監督した映画作品『憂国』の撮影を進める一方で、『英霊の声』(1966年)、『豊饒の海』第二部『奔馬』(1967年 - 1968年)と、美意識と政治的行動が深く交錯し、英雄的な死を描いた作品を多く発表するようになる。

民兵組織による国土防衛を考えていた三島は、1967年(昭和42年)、自衛隊に体験入隊する。翌1968年(昭和43年)には、民族派雑誌『論争ジャーナル』グループを中心に民兵組織「楯の会」を結成する。

1970年(昭和45年)11月25日、盾の会メンバー4名と共に陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地内東部方面総監部の総監室を訪れる。
三島は、隙を突いて益田兼利総監を人質に取り籠城。バルコニーから檄文を撒き、自衛隊の決起・クーデターを促す演説を行う。しかし、自衛隊の反応はまったくなく、この後、三島は割腹自殺する。

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参考書籍

表紙 昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃
著者 中川右介
出版社 幻冬舎
サイズ 新書
発売日 2010年09月
価格 950円(税込)
rakuten
ISBN 9784344981850
昭和45年11月25日、三島由紀夫、自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹、介錯されるー。一人の作家がクーデターに失敗し自決したにすぎないあの日、何故あれほど日本全体が動揺し、以後多くの人が事件を饒舌に語り記したか。そして今なお真相と意味が静かに問われている。文壇、演劇・映画界、政界、マスコミの百数十人の事件当日の記録を丹念に拾い、時系列で再構築し、日本人の無意識なる変化をあぶり出した新しいノンフィクション。
 
表紙 三島由紀夫の現場 金閣寺、豊饒の海から市ケ谷事件現場まで
著者 宮崎正弘
出版社 並木書房
サイズ 単行本
発売日 2006年11月
価格 1,836円(税込)
rakuten
ISBN 9784890632077
『金閣寺』の建勲神社、『春の雪』の月修寺、松枝邸と鎌倉の別邸、『奔馬』の飯沼勲の自決現場、『暁の寺』のベナレスとアジャンタ寺院、そして『天人五衰』の美保の松原など、主要作品のすべての現場を日本ばかりか世界各地を訪ね歩く。三十五年がかりでまとめあげた著者畢生の作品であり、三島由紀夫論三部作の完結篇。
 

自衛隊市ヶ谷駐屯地(現:防衛省本庁)付近の地図

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目的地:防衛省本省

この付近でネットができる宿

(この項おわり)
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