西暦1874年 - 佐賀の乱

政府に対する不平士族の反乱
皇国一新見聞誌 佐賀の事件
皇国一新見聞誌 佐賀の事件
1874年(明治7年)2月、江藤新平 (えとう しんぺい) 島義勇 (しま よしたけ) を中心に、佐賀県の士族1万1000人が明治政府に対して蜂起する佐賀の乱(佐賀戦争)が起きた。政府は大久保利通 (おおくぼ としみち) を全権とする鎮圧軍を組織し、近隣士族の援軍を絶ち、反乱は約2週間で鎮圧された。江藤と島は晒し首となり、約400人が処罰された。
江藤新平
江藤新平
大久保利通、岩倉具視 (いわくら ともみ) らと征韓論をめぐる政治的抗争に敗れた江藤新平は下野し、1874年(明治7年)1月、征韓党を結成する。
一方、北海道開拓の志半ばで解任され佐賀に戻っていた島義勇は、憂国党の党首に担がれ、征韓党と合流し、旧弘道館に本部を設置した。
征韓・旧制度復古・攘夷をスローガンとして不平士族の決起を促したが、政府は電信を使ってこの動きをいち早く察知し、最新の装備をもった鎮圧軍を汽船の輸送力と速度により現地派遣した。
反乱軍の規模は約3000~1万1000人となり、一時、佐賀県庁 (旧佐賀城) を占拠した。しかし、予期していた西郷隆盛の応援もなく、約2週間で鎮圧された。
4月29日に江藤が四国で、3月7日には島が鹿児島でそれぞれ捕えられ、裁判の結果、4月13日に2人とも晒し首となった。また、約400人を処罰するなど、明治政府は不平士族に対する強硬姿勢を世に示した。

1876年(明治9年)4月18日、佐賀県は三潴県 (みずまけん) に合併し、消滅。これは、佐賀の乱への処分とされる。8月21日、三潴県が廃止され、旧佐賀県は長崎県に合併。
1883年(明治16年)5月9日、長崎県から分離独立し、現在の佐賀県が成立。
1919年(大正8年)7月1日、大韓帝国の皇太子であった李垠と皇族方子女王の婚約発表による特赦令により、江藤や島など逆賊扱いされていた佐賀の乱の首謀者らが赦免される。

幕末の佐賀藩

鍋島直正
鍋島直正
幕末の佐賀藩は、日本最強の軍事力を備えていた。
1830年(文政13年)、17歳で肥前佐賀藩10代藩主となった鍋島直正 (なべしま なおまさ) は、先見の明を持った名君で、のちに「佐賀の七賢人」の一人に数えられる。
鎖国政策の中、西洋への唯一の窓口になっていた長崎の警備強化を唱えたが、幕府の財政支援を得られなかったため、大砲を鋳造するための反射炉を築き、西洋の最新式大砲であるアームストロング砲を自前で20門以上製造した。また、洋式船を10隻も保有し、理化学研究所「精煉方」や海軍伝習機関「三重津海軍所」を設置し、国産初の実用蒸気船を建造した。初の国産カメラを製造したのも佐賀藩と言われる。
直正は1861年(万延2年)に48歳で隠居し、家督を長男・直大に譲った。
1868年(慶応4年)に勃発した戊辰戦争では、佐賀藩は政府側に付き、その軍事力で大いに活躍した。
だが、1871年(明治4年)に直政が没すると、明治政府における発言力は薩長閥に比べて低下し、征韓論で西郷隆盛とともに下野した江藤新平ら不満分子が集まり、佐賀の乱を起こすことになる。

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参考サイト

(この項おわり)
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