
映画『幻魔大戦』

漫画『北斗の拳』
テレビアニメ『うる星やつら』を制作していたスタジオぴえろ(現・ぴえろ)は、7月1日から『魔法の天使クリィミーマミ』の放映を開始し、日本のサブカル界は急速にファンタジーへと舵を切る。

翌1984年(昭和59年)も『超人ロック』(日本アニメーション、松竹)『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』(ビッグウエスト、東宝)『SF新世紀レンズマン』(東宝)といったSFアニメ映画が公開されたが、3月公開の『風の谷のナウシカ』(トップクラフト)は、SF的な設定でありながら、ファンタジー要素が強かった。この後のスタジオジブリの長編アニメはファンタジー路線になる。週刊少年ジャンプ1983年(昭和58年)41号から連載が始まった『北斗の拳』(武論尊、原哲夫)は、近未来を舞台にしたファンタジーアクション漫画として、絶大な人気を獲得していく。

翌1984年(昭和59年)も『超人ロック』(日本アニメーション、松竹)『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』(ビッグウエスト、東宝)『SF新世紀レンズマン』(東宝)といったSFアニメ映画が公開されたが、3月公開の『風の谷のナウシカ』(トップクラフト)は、SF的な設定でありながら、ファンタジー要素が強かった。この後のスタジオジブリの長編アニメはファンタジー路線になる。週刊少年ジャンプ1983年(昭和58年)41号から連載が始まった『北斗の拳』(武論尊、原哲夫)は、近未来を舞台にしたファンタジーアクション漫画として、絶大な人気を獲得していく。
1983年(昭和58年)7月15日に発売された任天堂の家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」は、1986年(昭和61年)5月発売のRPG『ドラゴンクエスト』の成功でファンタジーという大海原に漕ぎだした。後に『ロードス島戦記』として結実するグループSNEの連載記事がパソコン雑誌『コンプティーク』に連載が始まったのもこの頃である。パソコン用ゲームソフトとしては、これより早く、1984年(昭和59年)にファンタジーRPG『ハイドライド』(T&E SOFT)『ドラゴンスレイヤー』(日本ファルコム)『夢幻の心臓』(クリスタルソフト)が発売されている。こうしてサブカルはゲームというコンテンツを通じてメジャーに昇格する。

SFは科学考証の縛りが厳しく、SFファンもその制約を緩めなかった。その中にあって比較的ファンタジーの要素が強かった超能力にしても、魔法のように万能な能力とはなり得なかった。作家にとって、SFは表現するのが辛い世界になってしまったのかもしれない。
こうしてアニメや小説の世界に取り残された一部のサブカル層は、「おたく」という蔑称で呼ばれるようになる。

SFは科学考証の縛りが厳しく、SFファンもその制約を緩めなかった。その中にあって比較的ファンタジーの要素が強かった超能力にしても、魔法のように万能な能力とはなり得なかった。作家にとって、SFは表現するのが辛い世界になってしまったのかもしれない。
こうしてアニメや小説の世界に取り残された一部のサブカル層は、「おたく」という蔑称で呼ばれるようになる。
参考書籍
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SF挿絵画家の時代 | ||
著者 | 大橋博之 | ||
出版社 | 本の雑誌社 | ||
サイズ | 単行本 | ||
発売日 | 2012年09月 | ||
価格 | 1,980円(税込) | ||
ISBN | 9784860112332 |
真鍋博「未来は、緑あふれる環境に人間が住んでいて、その中で絵を描くと緑の絵の具が真っ先になくなる、そんな世の中であってほしい。」(117ページ)
![]() |
日本SF精神史 | ||
著者 | 長山靖生 | ||
出版社 | 河出書房新社 | ||
サイズ | 全集・双書 | ||
発売日 | 2009年12月 | ||
価格 | 1,320円(税込) | ||
ISBN | 9784309624075 |
尾崎行雄本人もSF的な小説を書いていた。(53ページ)
![]() |
クリィミーマミはなぜステッキで変身するのか? | ||
著者 | 布川郁司 | ||
出版社 | 日経BP | ||
サイズ | 単行本 | ||
発売日 | 2013年12月 | ||
価格 | 1,760円(税込) | ||
ISBN | 9784822249922 |
自分のお金を増やすためのカギは、著作権(ライツ)に関係するビジネスにあります。(107ページ)
この時代の世界
(この項おわり)
一方、2月にはアニメ映画『うる星やつら オンリー・ユー』(キティ・フィルム、東宝)が公開され、4月15日には東京ディズニーランドが開園する。