京都鉄道博物館(京都府京都市下京区観喜寺町)は、2014年(平成26年)4月6日に閉館した交通科学博物館の後継施設として、梅小路蒸気機関車館を拡張リニューアルする形で、2016年(平成28年)4月29日にオープンした鉄道博物館である。
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エントランスホール
「地域と歩む鉄道文化拠点」を基本コンセプトに、さまざまな形式のトップナンバーと呼ばれる1号車が数多く展示されている。
プロムナード
80系は、1950年(昭和25年)に登場した初代湘南電車。東海道本線東京地区普通列車のラッシュ輸送対策として電気機関車牽引客車列車からの運用置換えを目的に開発された。展示されているのはクハ86形制御車1号車。
103系は、1963年(昭和38年)から1984年まで3,447両製造された電車である。前身の101系に比べて加速度を向上させ、国鉄のおもな通勤区間に導入された。
展示されているのは、1964年(昭和39年)に製造されたクハ103形制御車1号車で、最初は山手線で、最後は阪和線で活躍した。2011年(平成23年)3月20日に廃車となった。
大阪環状線で活躍していた当時の姿で保存されている。
展示されているのは、1964年(昭和39年)に製造されたクハ103形制御車1号車で、最初は山手線で、最後は阪和線で活躍した。2011年(平成23年)3月20日に廃車となった。
大阪環状線で活躍していた当時の姿で保存されている。
DD54形ディーゼル機関車は、1966年(昭和41年)から1971年まで40両が製造された。
西ドイツのメーカーからのライセンス供与を受けて製作されたエンジン・変速機を搭載するが、投入した新技術に加え、西ドイツとの連携不足などからトラブルが頻発し、法定耐用年数である18年に到達する前に運用離脱した不遇の機関車である。
展示されているのは33号機。
西ドイツのメーカーからのライセンス供与を受けて製作されたエンジン・変速機を搭載するが、投入した新技術に加え、西ドイツとの連携不足などからトラブルが頻発し、法定耐用年数である18年に到達する前に運用離脱した不遇の機関車である。
展示されているのは33号機。
トワイライトエクスプレスを牽引するEF81形電気機関車は、50Hzおよび60Hzの交流電化区間と直流電化区間を直通して走行できる三電源方式の電気機関車として1968年(昭和43年)に登場し、全国で幅広く活躍している。
展示されているのは1974年(昭和49年)に製造された103号機。
展示されているのは1974年(昭和49年)に製造された103号機。
トワイライトエクスプレスのA寝台として運用されていたスロネフ25形A寝台緩急車501号車。
個室中心・ハイグレードの客室設備を備え、外観も濃緑に黄色の帯という独自のものとなり、それまで24系がもっていた「ブルートレイン」のイメージから脱却した。
EF58形電気機関車は、戦後の買い出し需要に応じ、1946年(昭和21年)から急遽製造が始まった。当初品質が悪かったが、1952年(昭和27年)、大幅に設計を見直し、1958年(昭和33年)まで172両が製造された。
改良形は高速運転時の性能に優れ、流線型のフォルムも相まって、特急列車の牽引に用いられた。旅客用電気機関車として暖房装置(蒸気、電気)を備える。最高速度100km/h。愛称は「ゴハチ」。
展示されているのは1958年(昭和33年)に製造された150号機。
改良形は高速運転時の性能に優れ、流線型のフォルムも相まって、特急列車の牽引に用いられた。旅客用電気機関車として暖房装置(蒸気、電気)を備える。最高速度100km/h。愛称は「ゴハチ」。
展示されているのは1958年(昭和33年)に製造された150号機。
EF65形電気機関車は、輸送量増強のため EF60形 をベースに開発され、1965年(昭和40年)から1979年まで、国鉄電気機関車史上最多となる308両が製造された。
展示されているのは1965年(昭和40年)に製造された1号車。
展示されているのは1965年(昭和40年)に製造された1号車。
本館内1階メインスペース
230形蒸気機関車は、1902年(明治35年)、日本で初めて量産された蒸気機関車である。1909年(明治42年)まで41両が製造された。
展示されているのは1903年(明治36年)に製造された233号機で、2004年(平成16年)に鉄道記念物に指定され、2016年(平成28年)3月には国の重要文化財に指定された。
展示されているのは1903年(明治36年)に製造された233号機で、2004年(平成16年)に鉄道記念物に指定され、2016年(平成28年)3月には国の重要文化財に指定された。
展示されているのは、1989年(昭和64年)に製造され、JR西日本のグランドひかりに使用されていた122形制御電動車5003号車。
DD51形ディーゼル機関車は、蒸気機関車の後継機として、国鉄が1962年(昭和37年)から製造したもので、側面から見たときの凸型の車体が特長だ。
大出力エンジンを搭載し、速度面ではC61形蒸気機関車を、牽引力ではD51形蒸気機関車を上回る性能を有する。
展示されているのは、1972年(昭和47年)に製造された756号機。車体の下に入って下部構造を見ることができるようになっている。
展示されているのは、1972年(昭和47年)に製造された756号機。車体の下に入って下部構造を見ることができるようになっている。
キハ80系気動車は、国鉄が開発した特急形気動車で、1960年(昭和35年)に特急「はつかり」用として運行がはじまった。1967年(昭和42年)まで384両が製造された。
EF52形は、鉄道省が1928年(昭和3年)から1931年まで製造した直流用電気機関車で、9両を製造した。展示されているのは、その1号機だ。
新幹線総合指令所を再現したもの。
マルス102の試験機。1960年(昭和35年)に運用開始した国鉄の予約・発券システム「マルス1」の3代目。2代目のマルス101の中央処理装置として日立製作所が開発した電子計算機 HITAC 3030 を利用し、東海道新幹線の発券を可能としたもの。1965年(昭和40年)10月にみどりの窓口と同時に運用開始した。
パタパタと文字板が回転する行き先表示板(フラップ式列車発車案内表示装置)――2022年(令和4年)2月、最後まで活躍していた京急川崎駅のものが撤去された。
運賃表――ICカード乗車券が主流になり、駅で見かけなくなった。
昭和の駄菓子屋を再現したなつかし商店。
扇形車庫
扇形車庫は、1914年(大正3年)に建設された。2004年(平成16年)に国の重要文化財ならびに土木学会選奨土木遺産に指定された。2019年(平成31年)に日本機械学会により機械遺産に認定された。
2021年(令和3年)9月9日より、企画展「きかんしゃトーマス in 京都鉄道博物館」の連動企画として、C11形蒸気機関車がきかんしゃトーマス仕様に改装されている。
C11形は、1931年(昭和6年)に設計されたC54形のノウハウを流用してC10形を軽量化したもので、85km/hの高速運転を可能としている。
DE10形ディーゼル機関車は、1966年(昭和41年)にデビューした国鉄の中型ディーゼル機関車だ。世界的にもほとんど例のない5動軸の特異なレイアウトとなっている。
C59形蒸気機関車は、鉄道省が設計し、1941年(昭和16年)から173両を製造した幹線旅客列車用テンダー式蒸気機関車である。愛称はシゴクまたはシゴキュウ。
展示されているのは、1946年(昭和21年)に製造された164号機。
展示されているのは、1946年(昭和21年)に製造された164号機。
C51形蒸気機関車は、鉄道院が1919年(大正8年)に開発した幹線旅客列車用テンダー式蒸気機関車である。愛称はシゴイチ。
展示されているのは、1927年(昭和2年)に製造された239号機。
昭和天皇が乗車される「お召し列車」を104回にわたって牽引した。先頭にはお召し列車を牽引している証しである菊の紋章。側面の除煙板には鳳凰をあしらった金色のデザインが取りつけられている。
展示されているのは、1927年(昭和2年)に製造された239号機。
昭和天皇が乗車される「お召し列車」を104回にわたって牽引した。先頭にはお召し列車を牽引している証しである菊の紋章。側面の除煙板には鳳凰をあしらった金色のデザインが取りつけられている。
ドクターイエローを模した滑り台。
8620形蒸気機関車は、鉄道員が1914年(大正3年)から製造開始した旅客列車牽引用テンダー式蒸気機関車で、1929年(昭和4年)までに672両が製造された。
京都鉄道博物館にある8630号機(8620形の11号機)は、SLスチーム号の牽引を行っている。
京都鉄道博物館にある8630号機(8620形の11号機)は、SLスチーム号の牽引を行っている。
市街地を走らないためか、集煙装置はなく、煙をもうもうと吐く。
旧二条駅舎
市電ひろば
2014年(平成26年)3月18日、梅小路公園内に、1978年(昭和53年)9月30日に廃止された京都市電の保存車両4両を活用した休憩所「市電ひろば」がオープンした。
京都市電の車両内部。
交通アクセス
【鉄道】
- 嵯峨野線「梅小路京都西駅」から徒歩約2分
- 「京都駅」中央口より西へ徒歩約20分
参考サイト
- 京都鉄道博物館
- 交通科学博物館には0系新幹線1号車がある:ぱふぅ家のホームページ0
- 交通博物館には蒸気機関車が多い
- 交通博物館の鉄道ジオラマは圧巻:ぱふぅ家のホームページ
- さようなら交通博物館:ぱふぅ家のホームページ
- 鉄道博物館とC57形式蒸気機関車:ぱふぅ家のホームページ
- 鉄道博物館 と 0系新幹線:ぱふぅ家のホームページ
- 鉄道博物館と日本最大級の鉄道ジオラマ:ぱふぅ家のホームページ
- ジオラマ京都JAPANはEF66形機関車の運転台が迫力:ぱふぅ家のホームページ
- リニア・鉄道館は高速鉄道技術の進歩を展示:ぱふぅ家のホームページ
- 碓氷峠鉄道文化むらでトロッコ列車に乗る:ぱふぅ家のホームページ
- 小樽市総合博物館で北海道の鉄道について学ぶ:ぱふぅ家のホームページ
- 四国鉄道文化館には四国を代表する列車のヘッドマーク:ぱふぅ家のホームページ
- 九州鉄道記念館の本館は旧・九州鉄道本社:ぱふぅ家のホームページ
- 長崎路面電車資料館のジオラマは社員の手作り:ぱふぅ家のホームページ
- 韓国の鉄道博物館で日本との技術交流を知る:ぱふぅ家のホームページ
- 哈瑪星台湾鉄道館は鉄道博物館と交流展示中:ぱふぅ家のホームページ
近隣の情報
- 京都鉄道博物館はトップナンバー車両を数多く展示:ぱふぅ家のホームページ
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(この項おわり)