ボルツマンは、エントロピー増大の法則にもボルツマン定数を導入した。
孤立した系のエントロピー S は,与えられた条件のもとで系がとることのできる微視的状態の数 W の対数に比例し、\( S = klnW \) で表すことができる。この関係式がボルツマンの関係式と呼ばれ、kはボルツマン定数である。
1884年、ヨーゼフ・シュテファンが実験的に明らかにした黒体放射が温度の4乗に比例するという法則に、理論的な証明を与えた。この法則はシュテファン=ボルツマンの法則として知られている。
19世紀初頭、ジョン・ドルトンが原子説を唱えるが、それから70年近く経ても、まだ原子の実在には懐疑的であった。エントロピー増大則やボルツマンの関係式は原子説を前提としたものであるため、ボルツマンは激しい論争の的となった。
元年は双極性障害に苦しみ、1906年、アドリア海に面したドゥイーノで静養している最中に自殺してしまう。
ボルツマン定数は、理想気体を前提とする気体定数とアボガドロ定数から求めなければならず、測定には困難を極めた。だが、ここでも国家計計量標準機関が協力し、2018年に、ついにボルツマン定数を100万分の1を切る正確さで決定することができた。
孤立した系のエントロピー S は,与えられた条件のもとで系がとることのできる微視的状態の数 W の対数に比例し、\( S = klnW \) で表すことができる。この関係式がボルツマンの関係式と呼ばれ、kはボルツマン定数である。
1884年、ヨーゼフ・シュテファンが実験的に明らかにした黒体放射が温度の4乗に比例するという法則に、理論的な証明を与えた。この法則はシュテファン=ボルツマンの法則として知られている。
19世紀初頭、ジョン・ドルトンが原子説を唱えるが、それから70年近く経ても、まだ原子の実在には懐疑的であった。エントロピー増大則やボルツマンの関係式は原子説を前提としたものであるため、ボルツマンは激しい論争の的となった。
元年は双極性障害に苦しみ、1906年、アドリア海に面したドゥイーノで静養している最中に自殺してしまう。
ボルツマン定数は、理想気体を前提とする気体定数とアボガドロ定数から求めなければならず、測定には困難を極めた。だが、ここでも国家計計量標準機関が協力し、2018年に、ついにボルツマン定数を100万分の1を切る正確さで決定することができた。
参考書籍
宇宙を支配する「定数」 | |||
著者 | 臼田 孝 | ||
出版社 | 講談社 | ||
サイズ | 新書 | ||
発売日 | 2022年02月17日頃 | ||
価格 | 1,100円(税込) | ||
ISBN | 9784065273296 | ||
万有引力の法則から相対性理論、量子力学まで、宇宙の成り立ちを説明する物理法則には、必ず「固有の値」=物理定数が登場する。物理定数とは何か?なぜ、一定の値をとるのか?その値はどう決まるのか?そして、本当に「一定不変」か?宇宙の誕生と進化を司る「究極の値」のすべてー。 | |||
この時代の世界
(この項おわり)
その後、ボルツマン定数は、気体だけでなく、あらゆる原子、分子、電子に適用できることがわかった。デジタル式体温計は、温度センサの抵抗や電圧値が温度によって変化することを利用しているが、その変化の割合もボルツマン定数から導くことができる。